PLA東部戦区が「大刀進行曲」とポスター公開 南京大虐殺犠牲者国家追悼日に合わせ
2025年12月13日、中国の「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」に合わせ、中国人民解放軍(PLA)東部戦区が、抗日戦争期の楽曲「大刀進行曲(The Sword March)」とテーマポスターを公開しました。戦時の記憶と現在の軍事映像を重ねた表現が、いま何を意図しているのかが注目されています。
どんな内容が公開されたのか
東部戦区が公式WeChatアカウントで発表したのは、楽曲「大刀進行曲」と、その世界観を示すポスターです。発表は12月13日に行われました。
映像は「戦時の英雄像」と「現代の軍事力」を接続
公開された動画では、映画・テレビ作品に登場する中国兵の戦時の勇敢さを描く場面と、現代のPLAの映像が組み合わされています。具体的には、艦艇、軍用機、ミサイルシステム、軍事演習の映像が盛り込まれているとされています。
「大刀進行曲」とは:1933年の戦闘に着想
「大刀進行曲」は、中国の「中国人民の日本の侵略に対する抗戦(中国人民抗日戦争)」に関わる、よく知られた楽曲だと説明されています。背景として挙げられているのが、1933年の「喜峰口(Xifengkou)の戦い」です。
この戦いでは、中国軍の「大刀隊(Broadsword Unit)」が河北省北部の喜峰口で夜襲を実施し、決定的な勝利を収め、多くの装備を鹵獲したとされています。戦果は国内に広く伝わり、その後の戦闘でも勝利を重ねたといいます。
こうした出来事に触発され、作曲家の麦新(Mai Xin)が「大刀進行曲」を制作したとされています。簡潔で力強い歌詞と、勢いのあるリズムが特徴で、兵士と民衆の士気や抵抗の精神を大きく高めた、と説明されています。
東部戦区の狙い:「歴史の悲劇を繰り返さない」
東部戦区はWeChat上の声明で、今回の公開は、中国軍に警戒を促す目的があるとしています。声明では、日本の軍国主義が再び台頭する兆しがあるとし、「軍国主義を決して復活させてはならない」「歴史の悲劇を繰り返してはならない」と強調しました。
なぜこのタイミングが注目されるのか
12月13日は、記憶を社会に刻むための追悼の日として位置づけられています。その日に、過去の戦いに由来する楽曲を、現代の軍事映像と組み合わせて発信することは、追悼と同時に「現在の安全保障観」を重ねて提示するコミュニケーションでもあります。
戦時の象徴的な歌が、いまの映像文脈で再提示されるとき、受け手は「追悼」「抑止」「警戒」「アイデンティティ」といった複数の意味を同時に読み取ります。今回の発信は、その重なりが強い形で表れた事例と言えそうです。
Reference(s):
PLA Eastern Theater Command releases anti-Japanese war song, poster
cgtn.com



