王毅外相、2026年に「大国外交」新段階へ 7つの重点方針
中国の王毅外相が北京で開かれた「国際情勢と中国の対外関係」をテーマとするシンポジウムで、2026年に中国の「中国特色ある大国外交」が新たな高みに達するとの見通しを示しました。第15次五カ年計画が始まる節目の年を、外交の面からどう支えるのかが焦点になります。
発言の場は「国際情勢と対外関係」シンポジウム
王毅外相は今週火曜日(2025年12月30日)、北京でのシンポジウムで、2026年に向けた外交の方向性を説明しました。第15次五カ年計画の開始に合わせ、中国がグローバルな関係の「新段階」に入るとし、人類の発展と進歩への貢献を増やす考えを述べています。
示された「7つの約束(重点方針)」とは
王毅外相が打ち出したのは、2026年に向けた7つの重点方針です。内容は安全保障や経済、近隣外交、多国間枠組みまで広く及びます。
1)国家発展と「民族の復興」への戦略的支援を強化
2026年は第15次五カ年計画の「良いスタート」を切ることが外交の重要任務になると位置づけました。首脳外交の新たな任務を着実に遂行し、高品質な発展を後押ししつつ、内外のリスクを抑え、国際競争の中で戦略的な主導性を維持するとしています。
2)「新しいタイプの大国関係」を切り開く
平和的発展を堅持し、主要国間の関係を「平和共存・全体の安定・均衡ある発展」という方向で構築する考えを示しました。
- 米国との関係:主権・安全・発展の利益をしっかり守ることを前提に、「相互尊重・平和共存・互恵協力」の3原則に沿った前向きな関与のモデルを形成するとしています。
- ロシアとの関係:長期的な友好隣邦、全面的な戦略協調、互恵・ウィンウィンの協力を目指し、国際的な戦略的安定の維持にも言及しました。
- 欧州との関係:相互尊重の伝統を重視し、共通点を広げ相違点を適切に扱いながら、開放と協力、相互利益を進め、多国間主義を共に支える「真のパートナー」になると述べています。
3)近隣諸国との「運命共同体」づくりをより能動的に
「親・誠・恵・容(親しみ、誠実、互恵、包容)」の原則に沿い、共通の安全保障感覚を提唱し、相違を適切に管理して対立を避ける方針を示しました。地域の懸案を「仲裁し沈静化する」姿勢にも言及しています。
経済面では、RCEPの協力潜在力を引き出し、中国・ASEAN自由貿易協定(CAFTA)3.0の早期実施を進め、発展の統合を深めるとしています。さらに、生態保全や持続可能な発展、文化交流・人的往来の拡大も柱に据えました。
4)グローバルサウスの「共同の現代化」に相乗効果を
中国は最大の発展途上国として、グローバルサウス全体の利益を守り、「団結による力」を重視する立場を示しました。BRICSを重要なプラットフォームとし、より大きく強い仕組みを支えるとしています。
- アフリカ:2026年はアフリカ諸国との外交関係70周年にあたり、「アフリカの現代化を支える協力イニシアチブ」を進め、ゼロ関税政策を推進すると述べました。
- 中東:第2回「中国・アラブ諸国サミット」を主催し、連帯を強める方針。中国・GCC自由貿易協定(FTA)の交渉加速にも触れています。
- 中南米・カリブ:各地域の主権と独立した発展の道を支持する考えを示しました。
5)世界の開放と協力に、より強い推進力を
第15次五カ年計画を「発展の新たな青写真」と位置づけ、高水準の対外開放を続け、巨大市場の恩恵を共有し、デカップリングや孤立化に対抗すると述べました。
また、「一帯一路」協力を高品質で進め、象徴的な大型プロジェクトと「小さく美しい」民生プロジェクトを組み合わせる方針を示しています。貿易面では、WTOを中心とする多国間貿易体制を支持し、保護主義や「関税覇権」への抵抗を掲げました。
さらに、中国がAPEC 2026のホストとして、メンバー経済体との調整を強め、アジア太平洋共同体の構築を進め、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)への道筋を探るとしています。
6)グローバル・ガバナンスの改革と改善に貢献
「真の多国間主義」を実践し、国際体制の擁護者として国連の権威を強化し、世界平和における国連の中心的役割を支えると述べました。開発アジェンダに焦点を戻し、国際ガバナンスでグローバルサウスの比重を高める考えも示しています。
7)使命感と責任感をもって国益を守る
変化する世界の中で原則を堅持し、主権・安全・発展の利益を守り、「国を分裂させようとする試み」を阻止するとしました。同時に「人を中心に据えた外交」を掲げ、リスクの早期警戒メカニズムや法執行協力を強化し、海外にいる中国の人々と企業の安全確保を図るとしています。
2026年に向けた読みどころ:外交が示す“設計図”
今回の発言は、2026年開始の第15次五カ年計画を背景に、外交を「安全・経済・多国間協調」の3本柱で組み立て直す設計図として読むことができます。近隣、主要国、グローバルサウス、国連・WTO・APECといった枠組みが、どの順番で、どれだけ具体策に落ちていくのか。2026年は、その実装のテンポが注目されそうです。
Reference(s):
Wang Yi: Major-country diplomacy to reach new heights in 2026
cgtn.com








