中国本土の名馬「イリ馬」――交配が生んだ“決定版ハイブリッド”の素顔 video poster
中国本土の「三大名馬」の一つとして知られるイリ馬が、改めて注目されています。草原の丈夫さとスピードを両立させるために設計された“混血”の歴史が、いまの姿をつくってきました。
イリ馬とは:ルーツは新疆ウイグル自治区イリ河谷
イリ馬(Yili horse)は、中国本土の北西部・新疆ウイグル自治区にあるイリ河(Ili River)流域の谷あい、イリ河谷を起点とする馬の品種です。土地の環境に合った特性を土台にしつつ、目的をもって交配(クロスブリーディング)が行われてきた点が大きな特徴だとされています。
“混血”でつくる現代の馬:交配に使われた血統
イリ馬は、地元のカザフ馬をベースに、複数の外来血統を掛け合わせて形づくられました。報道によると、交配に用いられたのは主に次の血統です。
- 地元のカザフ馬(在来の系統)
- ロシアのドン(Don)
- サラブレッド
- そのほかのヨーロッパ系の乗用馬
交配は、単に“混ぜる”ことが目的ではなく、どんな能力を残し、どんな能力を足すかという設計思想に沿って進められたとされています。
目標は二つ:「草原のタフさ」+「スピードと運動性能」
育種の狙いは明確でした。草原環境で培われた丈夫さ(ハーディネス)を保ちながら、走力や運動能力を高めることです。地元馬が持つ適応力を核に、スピードや機動性といった要素を外来血統で補う――その発想が、イリ馬を“近代的な中国本土の馬”の代表例として語らせる理由になっています。
静かな問い:交配は「土地の強さ」をどう更新するのか
イリ馬の物語が興味深いのは、自然環境に根差した強さと、人の手による改良が、対立ではなく接続として描かれているところです。草原の条件に耐える力を手放さず、目的に合わせて能力を上書きしていく。その積み重ねが、ひとつの品種の個性をつくっていきます。
今回のイリ馬の背景は、CGTNのGuo Meiping氏の取材として紹介されています。
Reference(s):
Meet China's famous horses: The Yili, the definitive Chinese hybrid
cgtn.com








