新疆カシュガルでムカームを聴き直す——「Chasing Muqam」第3話 video poster
新疆の古都カシュガル(Kashi)を舞台に、ウイグルの伝統芸能「ムカーム」を“観光”ではなく“傾聴”でたどり直す。ドキュメンタリーシリーズ「Chasing Muqam」第3話「Old City, Reheard」は、街の音が人を導く瞬間を静かに描きます。
ムカームとは何か——歌・演奏・踊りが溶け合う伝統芸能
ムカームは、歌、音楽、舞踊が一体となったウイグルの伝統的な芸能です。舞台上の完成形だけでなく、日常の場で受け継がれる「からだの動き」「リズムの癖」「音の掛け合い」そのものが、文化の核として存在しています。
第3話の舞台はカシュガル旧市街——「見慣れた場所」を耳で歩く
案内役はナディム・ディアブ。第3話で彼が戻るのは、新疆西部のカシュガルです。ただし今回の目的は名所を巡ることではなく、ウイグル民謡のリズムを探し当てるために「聴く」こと。旧市街の空気の中で、タンバリンやリュートの響きが生活音として立ち上がってきます。
この回で描かれる主な場面
- 伝統的な動き(ステップや所作)の短い“特訓”
- 街角で自然に始まる、即興のミニコンサート
- 手助けしてくれるのは、友人だけでなく見知らぬ人々も
70代の音楽家たちが鳴らす「記憶の音」——即興がつなぐ継承
印象的なのは、70代の音楽家たちが中心になって始まるミニコンサートです。計画されたステージというより、その場にいる人の呼吸や視線に合わせて音が組み上がっていく。こうした即興性は、伝統が固定された「保存物」ではなく、いまも更新される「関係性」であることを示します。
“聴く”ことが主役になると、街の見え方が変わる
このエピソードの面白さは、情報としての解説よりも、耳を澄ませる時間が長いところにあります。リズムは、譜面より先に人の身体へ入ってくる——そんな感覚が、短いレッスンや街の演奏の断片から伝わります。
見終えたあとに残る小さな問い
- 伝統は「守る」だけでなく、「一緒に鳴らす」ことで続いていくのではないか
- 旅は“見る”よりも“聴く”ことで深くなる場面があるのではないか
- 世代を超えた継承の場は、劇場より先に日常の中にあるのではないか
「Old City, Reheard(旧市街、聴き直す)」という題名どおり、第3話は、土地の記憶を“音”からたどり直す回です。カシュガルの街が持つ響きが、人を通して立ち上がる——その瞬間に焦点が当たっています。
Reference(s):
cgtn.com








