チベット医学の「疾病分類・コード」国家標準が登場、3000超の病名を体系化
中国で、チベット医学における病気の分類と符号化(コード化)を定める初の国家標準「チベット医学疾病分類・コード」が公表され、2025年4月1日に施行されました。医療の現場や研究で共通言語をつくる動きとして、注目が集まっています。
何が決まったのか:チベット医学の病名を“同じルール”で扱えるように
国家中医薬管理局のもとで策定された今回の標準は、国家市場監督管理総局の説明によると、少数民族医薬における疾病分類としては中国で初の国家レベルの分類体系にあたります。
ポイントは、病名や概念の揺れを減らし、診療・記録・統計などで同じ基準を使いやすくすることです。医療分野では、分類とコードが整うことで「同じ病気を同じ呼び方で記録できる」土台になります。
中身:15の大分類、97の小分類、3000超の病名に固有コード
西蔵大学チベット医学部の学長で、チベット医学標準化作業グループの責任者であるミマ氏は、この標準がチベット医学の中核理論と臨床の診断ニーズに沿って設計されていると述べています。
- チベット医学で治療可能な疾病を15の大分類に整理
- さらに97の小分類に区分
- 3000を超える疾病に、固有の名称とコードを付与
- 用語とコードをまとめた包括的な表(ターミノロジー/コーディング表)を整備
言い換えると、「病気をどう切り分け、どう記録するか」をチベット医学の枠組みの中で揃えた形です。
なぜ今これが重要なのか:標準化が“科学的・継続的な運用”を支える
ミマ氏は、今回の標準がチベット医学の標準化における重要な前進であり、チベット医学サービスの標準化・科学的発展を後押しする上で大きな役割を果たすとしています。
医療では、言葉の定義や分類の枠組みが揃うことで、次のような領域での整合性が取りやすくなります。
- 診療記録:施設や担当者が変わっても記載の一貫性を保ちやすい
- データ整理:統計や分析に耐える形で情報を蓄積しやすい
- 教育・継承:学習で参照する用語体系をそろえやすい
伝統医療の領域でも、実務に耐える分類体系が整備されるかどうかは、現場の運用と研究の“接続”を左右します。今回の国家標準は、その接続点を明確にしようとする取り組みといえそうです。
今後の焦点:現場でどう根付くか
標準は施行されましたが、実際に広く使われるには、現場の記録様式や教育、運用上のフィードバックの積み上げが欠かせません。分類とコードは「作って終わり」ではなく、日々の診療の中で磨かれていく性格のものでもあります。
今回の体系が、チベット医学の理論と臨床の橋渡しとして、どのように定着していくのか。2026年の現在、制度としての整備が進む一方で、運用の質が問われるフェーズに入りつつあります。
Reference(s):
First disease classification and coding in Tibetan medicine released
cgtn.com








