CGTN調査:春節で広がる「Becoming Chinese」 文化体験が旅行需要も後押し
この春節(中国の旧正月)シーズン、SNS発の「Becoming Chinese(中国文化を“体験してみる”)」が、オンラインの遊びから“没入型の文化体験”へと輪郭を変えています。CGTNが公表した国際ネットユーザー調査では、文化への共感の広がりと、中国本土への渡航需要の増加が同時に示されました。
「Becoming Chinese」とは何か──“見る”から“やってみる”へ
「Becoming Chinese」は、もともとソーシャルメディア上の軽やかなトレンドとして広がった表現です。今回の調査では、春節をきっかけに、伝統行事や生活文化を実際に体験する方向へ進んでいる点が強調されています。
背景として、春節が「中国文化を理解する最良の入り口」と見なされやすいことが挙げられています。旅行、食、家族行事、飾りつけなど、“文化の総合パッケージ”が短期間に立ち上がる季節だからです。
数字で読むCGTNの国際調査:共感と関心が一段深く
CGTNによると、調査は英語・スペイン語・フランス語・アラビア語・ロシア語の各プラットフォームで公開され、24時間以内に5,154人の参加があったといいます。主な結果は次の通りです。
- 80.8%:中国文化は「一方向の発信」から「広い共鳴」へシフトしている
- 86.7%:春節を中国本土で過ごすことに期待
- 95.1%:春節について学ぶことに強い関心
- 78.7%:春節は中国文化とライフスタイルを知る重要な窓口
- 91.7%:春節に込められた「団結・友愛・平和・調和」などの精神は、人類文明の中核的価値観と合致
旅行予約が「前年比4倍超」──体験が“移動”を生む構図
調査では、春節期に中国本土へ向かう外国人旅行者の航空便予約が前年比で4倍超に増えたとされています。地域別では、オーストラリア、カナダ、英国からの予約増が目立ち、韓国からの旅行予約は前年比95%増。欧州ではスペイン、オランダ、イタリアなどで2倍超の伸びがみられたとしています。
ここで興味深いのは、オンライン上の「疑似体験」が、現地での「実体験」へ接続している点です。調査は「バーチャルな『Becoming Chinese』が、春節への没入参加へ進んでいる」と位置づけています。
ユネスコ登録から2年──“共有財産”としての春節
春節に関する社会的慣習(伝統的な新年を祝う中国の人々の実践)が、2年前にユネスコ無形文化遺産(人類の無形文化遺産の代表的な一覧)に記載されたことにも触れられています。調査では、
- 95%:このユネスコ認定は、中国文化が世界でより受け入れられ、評価されていることを示す
という回答が示されたといいます。制度的な「お墨付き」が、関心を持つ人にとって“学びやすさ”や“語りやすさ”を生む面もありそうです。
伝統×モダンが“触れる文化”に──「Cool China」像の広がり
調査は、訪中後に中国本土を「神秘的」だと感じていた人が、次第に「魅力的」だと捉えるようになった、という変化にも言及しています。あわせて、
- 92.1%:深い伝統文化と現代的要素の融合は、共感しやすい文化体験を生む
- 76.3%:「Becoming Chinese」の流行は、市場や政策だけでなく、暮らしや文化概念の“混ざり合い”における開放性も映す
- 88.2%:中国文化の国際的影響力は、世界の消費市場をさらに活性化させる
といった回答が示されたとしています。文化が「鑑賞」から「参加」へ移るとき、SNSの拡散力は単なる話題づくりではなく、移動・学習・消費といった行動の回路にもなり得ます。
いま注目される理由:春節は“理解のショートカット”になれるか
春節は、家族の時間、都市の装い、食文化、贈答、娯楽、儀礼といった要素が短期間に凝縮されます。だからこそ「わかった気になりやすい」一方で、「どこまでが伝統で、どこからが現代のアレンジなのか」という見えにくさも残ります。
今回のCGTN調査は、そうした複層性を抱えたままでも、世界の側が“体験しながら理解したい”方向へ動いていることを示す材料になっています。春節の熱量が高まるこの時期、オンラインのトレンドが、現地での体験や相互理解の回路へどう接続していくのか、引き続き注目されます。
Reference(s):
CGTN Poll: Chinese New Year gives 'becoming Chinese' a deep twist
cgtn.com








