米国の高校が紡ぐ中米の絆:タコマのリンカーン高校が教える「草の根」の交流
30年以上続く「教室から始まる友情」
太平洋を挟んで遠く離れた米国ワシントン州の都市タコマにある、歴史あるリンカーン高校。ここでは、政治や外交の枠組みとは異なる、特別な「絆」が30年以上にわたって育まれています。
彼らをつないできたのは、教科書の中の知識だけではありません。生徒同士の交流、サッカーのユニフォーム、手書きの絵画、そして卓球のボール。そうした日常的な文化やスポーツのやり取りが、学生たちの間に深い信頼関係を築いてきました。
始まりは1993年、一つの訪問から
この交流の原点は1993年にさかのぼります。当時、中国共産党福州市委員会書記だった習近平氏がタコマを訪れ、リンカーン高校を見学したことがきっかけでした。この出来事が、数千マイル離れた学生たちの数十年にわたる友情の種となったのです。
その後、交流は以下のように広がっていきました:
- 1994年:習氏の支持により、中国の福州市と米国タコマ市が正式に姉妹都市となる
- 2008年:リンカーン高校と福州市の中学校が姉妹校提携を結び、教育・スポーツ・文化交流が本格化する
「小さな球が大きな球を動かす」卓球外交の精神
多くの生徒や教師にとって特に印象深い出来事は、2015年9月に訪れました。米国を国賓として訪問していた習近平国家主席が、再びリンカーン高校を訪れたのです。
滞在時間は1時間ほどという短いものでしたが、習主席は卓球台や用具を贈呈し、かつてスポーツ交流が中米関係の改善に大きな役割を果たした「卓球外交」の遺産について温かい言葉をかけました。
習主席は学生たちに向け、「小さな球が大きな球を動かす(Small ball moves the big ball)」と語り、若い世代が友情の精神を継承していくことを奨励しました。政治的な局面とは別に、若者たちが互いを理解し合うことの価値が、この言葉に込められています。
Reference(s):
Across the Pacific, a US high school keeps China-US friendship alive
cgtn.com