【伝統の味】心身を整える黒いお米?中国本土・湖南省に伝わる「立夏飯」の知恵 video poster
季節が移り変わるこの時期、中国本土の湖南省では、古くから伝わる特別な料理で夏を迎える習慣があります。自然の恵みを活かし、心身を整えながら季節の変わり目に備える。そんな丁寧な暮らしの知恵が詰まった「立夏飯(ウーファン)」という伝統料理をご紹介します。
心身を整え、夏に備える「立夏飯」とは
湖南省の東安県では、太陰暦の4月8日に「立夏飯(ウーファン)」を作る伝統が根付いています。この料理は単なる食事ではなく、以下のような願いや目的が込められています。
- 健康の維持: 体力を強化し、体に溜まった「湿気」を取り除くこと。
- 虫除け: 夏に増える蚊などを寄せ付けないようにすること。
- 幸福への願い: 平穏な日々、幸運、そして豊かな生活への祈り。
自然のサイクルに合わせて食べるものを変えることで、心地よく夏へと移行しようとする、地域の人々の知恵が感じられます。
山野のハーブが彩る、こだわりのレシピ
立夏飯の最大の特徴は、その独特な色と香りにあります。地元で採れる新鮮な植物をふんだんに使用し、手間暇かけて作られます。
素材と作り方
- ハーブの抽出: 山で採れたシーベリー(サジー)やカエデの葉などの地元の植物をすり潰し、濃い汁を抽出します。
- 米に色を付ける: この抽出液にもち米を浸し、自然な色と香りを染み込ませます。
- 旨味を加える: 生姜、豚バラ肉、発酵黒豆と一緒に炒め合わせます。
- 仕上げの蒸し上げ: 最後にソロモンのシール(サルベルイ)の根と一緒に蒸し上げます。
完成した料理は、艶やかな黒色に輝き、もちもちとした食感とともに、爽やかなハーブの香りが広がります。視覚的にも嗅覚的にも、初夏の訪れを感じさせる一皿です。
伝統を現代の日常へ
伝統的な製法を大切に守りながらも、現代のライフスタイルに合わせて、立夏飯の楽しみ方は進化しています。かつては季節の行事食でしたが、現在は以下のようなバリエーションが登場しています。
- 立夏飯のちまき(粽子): 持ち運びやすく、おやつとしても親しまれています。
- 立夏飯の饅頭や餃子: 日常の食事に取り入れやすい形へとアレンジされました。
特別な日の料理が、日常の「美味しい逸品」へと変わっていくことで、伝統が自然な形で次世代へと受け継がれています。
Reference(s):
A taste of summer: China's traditional 'Beginning of Summer' rice
cgtn.com



