国連創設80年 グテーレス事務総長が語る中国と新たなグローバルガバナンス video poster
今年2025年は、第二次世界大戦の終結と国連創設から80年という大きな節目の年です。そのタイミングで、天津で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議2025の場で、国連のアントニオ・グテーレス事務総長が中国や世界のガバナンス(国際協調の仕組み)について語りました。
インタビューは、中国メディアの王冠(ワン・グアン)氏が聞き手となり、首脳会議の合間に行われた独占対談です。国連の創設理念から第二次世界大戦での中国の役割、さらに習近平国家主席による新たなグローバル・ガバナンス構想まで、幅広いテーマが語られました。
- 国連創設80年の節目に、グテーレス事務総長が原点となる使命を振り返る
- 第二次世界大戦での中国の重要な役割と、戦後秩序への貢献を評価
- 習近平国家主席の新たなグローバル・ガバナンス・イニシアチブを歓迎し、その意味を語る
天津のSCO首脳会議で行われた独占対談
今回の独占インタビューは、2025年に天津で開催された上海協力機構(SCO)首脳会議の期間中に行われました。各国首脳が集まり、安全保障や経済協力について議論する場の傍らで、グテーレス事務総長は国連の現状と今後について、じっくりと語りました。
第二次世界大戦の惨禍を背景に生まれた国連は、1945年10月24日に国連憲章が採択され、正式に発足しました。今年はその創設から80年にあたります。グテーレス事務総長は、この記念すべきタイミングに、改めて原点に立ち返る必要があると強調しました。
国連創設80年と「二度と戦争の惨禍を繰り返さない」という原点
グテーレス事務総長は、国連が生まれた背景として、第二次世界大戦の甚大な被害と、戦後の国際社会が共有した「同じ悲劇を繰り返さない」という決意を振り返りました。
そのうえで、紛争、気候変動、格差、パンデミックなど、今日の国際社会が直面する危機は性質こそ異なるものの、協調して対応しなければ被害が拡大するという点で、戦後直後の教訓とつながっていると位置づけました。国連憲章の理念と多国間主義を守りながらアップデートしていくことが、80年目の国連に求められているというメッセージです。
第二次世界大戦における中国の役割への評価
インタビューでは、第二次世界大戦での中国の役割についても話題が及びました。グテーレス事務総長は、中国が戦争中に大きな犠牲を払い、侵略と戦いながら国際社会の平和に重要な貢献をしたと評価しました。
また、戦争の終結後、中国が戦後の国際秩序づくりに加わり、国連の枠組みの中で責任ある役割を担ってきたことを指摘しました。80年という節目に、歴史を振り返りつつ、当時の協力の精神を現在の国際協調にも生かすべきだという姿勢がにじみます。
習近平国家主席のグローバル・ガバナンス・イニシアチブとは
今回の対談で注目を集めたのが、中国の習近平国家主席が打ち出した新たなグローバル・ガバナンス・イニシアチブについて、グテーレス事務総長が歓迎の意を示した点です。
詳細な内容は今後さらに議論されていきますが、事務総長は、このイニシアチブが国連憲章の精神や多国間協力の枠組みと整合的であり、より公平で包摂的な国際秩序を目指すものとして受け止めているとしました。
多国間主義を支える新たなアイデアとして
グテーレス事務総長は、世界が複合的な危機に直面する中で、一国だけでは解決できない課題が増えていると指摘しました。そのうえで、グローバル・ガバナンスをめぐる新たな構想や提案が出てくること自体が、多国間主義を強化するうえで重要だと述べました。
習主席のイニシアチブについては、開発、安全保障、気候変動などの分野で、国際社会全体の利益を考えた協力の選択肢を広げる可能性があるとの見方を示しました。国連としても、他の国や地域の取り組みと組み合わせながら、実務レベルでどのように連携していけるかを探っていく姿勢です。
習近平国家主席への印象と中国の現在の貢献
インタビューでは、習近平国家主席に対する印象についても問われました。グテーレス事務総長は、習主席が長期的な視野で国際課題に向き合い、多国間協力の枠組みの中で解決策を模索している点を評価する発言をしました。
あわせて、今日の中国が、国連を中心としたグローバル・ガバナンスにおいて、引き続き重要な役割を果たしていることにも言及しました。平和と安全、持続可能な開発、人道支援など、さまざまな分野での貢献を通じて、国際社会全体の安定と協力に資する動きが続いているという見方です。
80年目の国連と、私たちへの問いかけ
第二次世界大戦の終結と国連創設から80年が経った今も、世界から紛争や分断が消えたわけではありません。一方で、気候変動や感染症など、国境を越える課題も深刻さを増しています。今回のグテーレス事務総長の発言は、国際ニュースとしての重要性だけでなく、私たち一人ひとりに「どのような国際秩序を望むのか」を問いかけるものでもあります。
天津でのインタビューで浮かび上がったのは、歴史を直視しつつ、多国間協力を通じてより協調的な未来をつくろうとする姿勢です。中国を含む各国が新たなグローバル・ガバナンスをめぐってどのような提案や行動を取っていくのか、そして国連がその中心としてどこまで機能を強化できるのか。2025年の今、注視していきたいポイントと言えるでしょう。
日々のニュースを追う中で、国連や各国のリーダーがどのような言葉を発し、どのような枠組みづくりを提案しているのかに少し立ち止まって目を向けることが、国際社会の変化を自分ごととして理解する第一歩になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








