ポーランド元副首相コウォドコ氏に聞く:中国経済と第15次五カ年計画の行方 video poster
イノベーションとグリーン成長を柱に「変革的」だったとされる第14次五カ年計画を終え、中国経済は次の第15次五カ年計画に向けてどこへ向かうのでしょうか。2025年現在、その行方を読み解こうとする国際ニュースとして、ポーランドの元副首相グジェゴシュ・W・コウォドコ氏の独占インタビューが注目されています。
第14次五カ年計画:「変革的」な5年間とは
国際番組「The Hub」での対談によれば、第14次五カ年計画の期間は、イノベーション、グリーン成長、高品質な発展によって特徴づけられた「変革的」な5年間だったとされています。量的な拡大だけでなく、質や環境への配慮を重視する方向へと、中国経済の軸足が移ってきた時期だといえます。
コウォドコ氏は「国際環境が不利な状況にもかかわらず、中国のマクロ経済運営は改善してきた」と指摘します。世界第2位の経済大国が、外部からの逆風の中でも成長と安定を両立させてきたという見立てです。
レジリエンスを支えるマクロ経済運営
マクロ経済運営とは、財政政策や金融政策、産業政策などを組み合わせ、景気や雇用、物価など経済全体の動きをコントロールしようとする取り組みです。コウォドコ氏の評価からは、中国がこうした政策運営を通じて、経済のレジリエンス(回復力・耐性)を高めてきた姿が浮かび上がります。
- イノベーションへの投資を通じた新たな成長源の開拓
- グリーン成長を掲げた環境負荷の小さい発展モデルの追求
- 「高品質な発展」による、持続可能性と安定性の重視
こうした方向性は、第15次五カ年計画の設計にも引き継がれていくとみられます。内需と外需、成長と環境、効率と公正といった要素をどのようにバランスさせるかが、今後の大きな焦点になりそうです。
第15次五カ年計画と「包摂的で持続可能なグローバル化」
今回の対談のもう一つの柱は、中国の発展経験が「より包摂的で持続可能なグローバル化」をどう形づくりうるか、というテーマでした。ここでいう「包摂的」とは、成長の果実をより多くの国・地域や人々が共有できること、「持続可能」とは、環境面でも経済面でも長期的に続けられる形での発展を意味します。
中国の開発経験、とくにイノベーションやグリーン成長、高品質な発展への転換は、途上国を含む世界の国々が格差や環境問題に直面するなかで、一つの参考モデルになりうるとコウォドコ氏は見ています。世界第2位の経済大国がどのようなルールや価値観を重視してグローバル化に参加するのかは、国際秩序全体に影響を与える問いでもあります。
中国–ポーランド、中国–EU関係の行方
対談では、ポーランド元副首相として、また北京師範大学「一帯一路学院」の教授としての立場から、中国–ポーランド関係や中国–EU関係の今後についても議論が交わされました。欧州内から見た中国との向き合い方が語られた点は、日本を含むアジアの読者にとっても示唆に富む部分です。
コウォドコ氏は、いわゆる「トランポノミクス(Trumponomics)」が中国を封じ込めようとしているとしたうえで、「EUはワシントンの対中政策の道具になってはならない」と強調します。つまり、欧州は自らの利益と長期的な視野にもとづき、対米関係と対中国関係をバランスよく設計すべきだという立場です。
対立か協調かという二者択一ではなく、対話と相互利益にもとづく関係構築を模索することが、中国–ポーランド、中国–EU双方にとって望ましいという含意も読み取れるでしょう。
日本の読者への問いかけ
中国経済の進路、欧州の選択、そして米国の政策。これらは日本やアジアの経済・外交にも直接影響するテーマです。コウォドコ氏の視点は、ポーランドと中国の両方を見てきた立場から、複数の地域をつなぐまなざしで世界を見直すきっかけを与えてくれます。
- イノベーションとグリーン成長を掲げる中国の発展は、今後のグローバル化のルールをどう変えていくのか。
- EUは、米国と中国の間でどのような距離感と役割を選び取るべきなのか。
- 日本は、こうした大国間のダイナミクスを踏まえて、どのような経済戦略と国際連携を描くべきなのか。
国際ニュースを追うことは、世界のどこかで起きている出来事を知るだけでなく、自分たちの社会や未来の選択肢を静かに考え直す作業でもあります。第15次五カ年計画に向かう中国と、それを見つめる欧州の視点は、そのための一つの材料になりそうです。
Reference(s):
Exclusive with former Polish Deputy Prime Minister Grzegorz Kołodko
cgtn.com








