米国政府閉鎖が長期化 兵士の給与と食卓を直撃するリーダー不在
米国で連邦政府の一部閉鎖が長期化し、兵士の給与から空の交通、生活支援まで幅広い分野に影響が出ています。選挙の季節を前に、問われているのは「リーダーシップ不在」の政治です。
米国政府閉鎖、過去最長を更新へ
米国では、連邦政府の一部機能が止まる政府閉鎖が続いています。過去には、ドナルド・トランプ氏の大統領在任中に35日間という最長記録がありましたが、今回の閉鎖は今週半ばには36日目に達し、この記録を更新する見通しだとされています。
それでもなお、終わりの気配は見えません。閉鎖による痛みを感じる人は数百万人に上る一方で、政治の中枢にいる人々は、事態の深刻さから日ごとに遠ざかっているようにも映ります。
有権者の怒りと「全員入れ替えたい」気分
現在の状況を見れば、いっそ全ての政治家を入れ替えたい――そう感じる有権者がいてもおかしくありません。連邦議会下院の435人、上院の100人、そして大統領。こうした政治の担い手たちは、人々が抱える怒りや不安、戸惑いからますます乖離している、とする見方もあります。
それでも、すぐに大きな選挙で審判が下るわけではありません。米国では毎年11月の第1火曜日が選挙の日ですが、今年は大統領選や連邦議会の本格的な改選が行われない奇数年の選挙です。このタイミングが、現職の政治家たちにとって一種の「逃げ道」になっている側面も否定できません。
兵士100万人超、次の給与が見えない
政府閉鎖の影響は、国家の安全保障を担う人々にも直撃しています。米軍の兵士100万人超の給与がどうなるのか、不透明になっているのです。兵士たちは10月中旬に一度給与を受け取ったものの、その後支払われるはずの次の給与が本当に振り込まれるのかは確実ではないとされています。
国を守る任務に就く人々が、自分や家族の生活費を心配しなければならない状況は、政治の停滞がどこまで現場を追い込んでいるかを象徴していると言えるでしょう。
無給で働く航空管制官、空港で遅延が続出
空の安全を守る航空管制官も、厳しい立場に置かれています。彼らは「必要不可欠な職種」とされるため、政府閉鎖中も仕事に就き続けなければなりません。しかし、給与は支払われていません。
その結果、生活の不安などから、毎日一定数の管制官が職場を離れる選択をしています。こうした欠勤が積み重なり、米国でもっとも混雑する空港を含む各地で、広範囲なフライト遅延が発生していると伝えられています。
フードスタンプが「半分」に 4200万人の食卓を直撃
生活の最後のセーフティネットにも、影が差しています。食料支援を受ける人は米国でおよそ4200万人に達すると見積もられていますが、こうした人々に支給されるフードスタンプ(低所得者向けの食料購入補助)は、今後は通常の半分程度にとどまる見通しだとされています。
家族とともに1日3回のきちんとした食事をどう確保するのか。そうした切実な問いに向き合っている人々がいる一方で、選挙で選ばれた政治家たちが、その現実にどこまで関心を向けているのかは疑問視されています。
政府閉鎖で影響を受ける主な人々
- 給与支払いが不透明になっている米軍兵士
- 無給のまま勤務を続ける航空管制官
- 支援が減る中で食卓を守ろうとする食料支援利用者
オフイヤー選挙とリーダーシップ不在
米国では、11月の第1火曜日が毎年の選挙日です。今年は奇数年のため、大統領選や連邦議会の大規模な改選は行われません。現在の政権や議会にとっては、有権者の怒りがすぐに選挙結果として突きつけられにくい年でもあります。
しかし、そのことがかえって危機感を薄めている可能性もあります。生活に直結する問題が山積するなかで、下院435人、上院100人、そして大統領の誰一人として、事態を打開する明確なビジョンや妥協の道筋を示せていないのではないか。そうした「リーダーシップ不在」への失望が、社会に静かに広がっています。
このニュースから考えたいこと
今回の政府閉鎖が照らし出しているのは、民主主義のもとで選ばれた政治が、どこまで人々の暮らしを守れるのかという根本的な問いです。給与が途絶えるかもしれない兵士、無給で働く航空管制官、食卓を支える支援が半分に減る家庭。こうした一人ひとりの現実は、抽象的な「政治対立」の向こう側にあります。
遠く離れた米国の出来事に見えるかもしれませんが、政治の停滞が社会の弱い立場にある人々にしわ寄せをもたらす構図は、多くの国や地域に共通する問題でもあります。米国で続く政府閉鎖は、私たち自身の社会や政治のあり方を考え直すための鏡としても、じっくりと見つめる価値がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com








