FAカップでリバプール敗退 2部最下位プリマスに0-1の大波乱
イングランドFAカップ4回戦で日曜日に行われた一戦で、プレミアリーグ首位のリバプールが2部(チャンピオンシップ)最下位に沈むプリマス・アーガイルに0-1で敗れました。アウェーのホーム・パークで起きた番狂わせは、アルネ・スロット監督率いるリバプールの「4冠」の夢を打ち砕く結果となりました。
53分のPK弾が決勝点に
試合が動いたのは後半53分でした。リバプールの中盤ハーヴェイ・エリオットのハンドでプリマスにPKが与えられ、フォワードのライアン・ハーディが冷静にゴール右へ決めました。リバプールのGKカオイムヒン・ケレハーは逆方向に飛ばされ、これが決勝点となりました。
ハーディは試合後、「きょうは全員が夢を持ってピッチに立ち、それを成し遂げた」と語り、PKについては「プレッシャーは大きかったが、自分のコースを決めて打つだけだった」と振り返っています。
大幅ローテーションのリバプール、攻撃に迫力欠く
リバプールは水曜日に控えるマージーサイド・ダービー(エバートン戦)を見据え、先発メンバーを大きく入れ替えました。モハメド・サラー、フィルジル・ファン・ダイク、アリソン・ベッカー、アレクシス・マック・アリスターら主力は帯同せず、若手中心の布陣で臨みました。
しかし、その賭けは功を奏しませんでした。前半のリバプールはシュートこそ放ったものの枠内はわずか1本。36分にジェームズ・マコネルがロングシュートを放ちましたが、プリマスのGKコナー・ハザードが飛びついてセーブし、ゴールを許しませんでした。
さらに、ディフェンダーのジョー・ゴメスが序盤で負傷交代を強いられるなど、スロット監督にとっては誤算続きの展開となりました。試合を通じてリバプールはアイデアに乏しく、決定機をほとんど作れないまま時間だけが過ぎていきました。
自信を深めたプリマス、守護神ハザードが立ちはだかる
一方のプリマスは、リーグ戦では2部最下位に沈む苦しい状況にありながら、時間の経過とともに自信を深めていきました。守備ブロックをコンパクトに保ち、リバプールの攻撃を中央で封じ込める戦い方がはまりました。
リードを奪われたリバプールは終盤にかけてギアを上げましたが、最後の壁として立ちはだかったのがGKハザードでした。アディショナルタイムにはディオゴ・ジョタのボレーシュートを見事な反応で弾き出し、さらにダルウィン・ヌニェスのヘディングシュートも止めてみせました。
ハザードは、「止めることが自分の仕事。その役割を果たせてうれしい」と語り、この日のヒーローとしてホームスタジアムの歓声を一身に浴びました。
消えた「4冠」の夢、これからのリバプールは
今季のリバプールは、プレミアリーグで首位を走り、UEFAチャンピオンズリーグではすでにベスト16進出を決め、リーグカップでも決勝に進出済みです。こうした状況から、一部のファンや解説者の間では「4冠(クアドルプル)」の可能性も語られていました。
しかし、今回のFAカップ敗退により、その夢は姿を消しました。スロット監督のチームは今季ここまで公式戦で3敗しかしておらず、そのうちの1つがこのプリマス戦ということになります。格下相手のカップ戦で足元をすくわれる形になったことは、チームに少なからず心理的なダメージを与えるかもしれません。
一方で、過密日程のなかで試合数が1つ減ったことは、リーグ戦やチャンピオンズリーグ、リーグカップ決勝に集中するという意味ではプラスに働く可能性もあります。この敗戦を「痛みを伴うリセット」として前向きに捉えられるかどうかが、今後のリバプールのシーズンを左右しそうです。
番狂わせはなぜ起こるのか――カップ戦の怖さ
今回のリバプール対プリマス戦は、カップ戦の持つ「一発勝負」の怖さを改めて示す試合となりました。背景にはいくつかの要因が考えられます。
- 主力温存とローテーション:強豪クラブは過密日程に対応するためにターンオーバー(大幅な選手入れ替え)を行いますが、その分、連係不足や経験値の差が出やすくなります。
- 下位クラブのモチベーション:格上相手とホームで戦う機会は、選手にとって「キャリア最大の舞台」になることも多く、集中力や走力が普段以上に引き出されます。
- 試合展開とメンタル:早い時間帯の失点や判定によるPKなどで流れが変わると、格上クラブが焦り、格下クラブが落ち着いて戦えるという構図が生まれます。
リバプールにとっては痛恨の敗戦ですが、プリマスにとってはクラブの歴史に残る一夜となりました。この結果は、今季のFAカップ全体の構図にも影響を与えそうです。
これから何を注目すべきか
今回の結果を受け、注目点は大きく二つあります。
- リバプールの立て直し:すぐに控えるマージーサイド・ダービーで、スロット監督がどのようにメンバーと戦術を修正してくるのか。主力を休ませた判断が吉と出るのかが問われます。
- プリマスの勢い:FAカップで得た自信が、リーグ戦での残留争いにどうつながるか。ホーム・パークの熱狂が、今後のクラブの追い風になる可能性があります。
FAカップらしいドラマが生まれたこの一戦。強豪リバプールの敗退と、プリマスの歴史的勝利は、今後もしばらくサッカーファンの語り草となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








