ジョコビッチ、全仏オープン99勝目で16強入り 25度目の四大大会へ前進
テニスの四大大会・全仏オープンで、ノバク・ジョコビッチが大会通算99勝目を挙げて16強入りしました。3試合連続のストレート勝ちで危なげなく勝ち上がり、史上25度目となる四大大会タイトルへ、静かにギアを上げています。
大会通算99勝目、3試合連続ストレート
現地パリの土曜夜に行われた男子シングルス3回戦で、第6シードのノバク・ジョコビッチは、オーストリアの予選勝者フィリプ・ミソリッチを6-3、6-4、6-2のストレートで下しました。これが全仏オープンでの通算99勝目となり、4回戦(ラスト16)進出を決めました。
3度の全仏優勝を誇る38歳のジョコビッチは、キャリア通算25度目の四大大会タイトル獲得という歴史的な記録に挑んでいます。この日の相手ミソリッチは23歳と若く、時折ジョコビッチを走らせる場面もありましたが、試合全体を通じて主導権は終始ジョコビッチが握っていました。
序盤、ジョコビッチは9本ものブレークポイントを逃すなど、ややもどかしい展開もありました。しかし、粘り強いリターンと驚異的なディフェンスで相手のスマッシュを次々と拾い続け、ついに第1セット第6ゲームでブレーク。4-2とリードを広げると、そのまま最初のセットをものにしました。
サッカー決勝と同時進行、スポーツ一色のパリ
この日、パリの街はまさにスポーツ一色でした。スタジアムの通りを挟んだ向かい側にあるパルク・デ・プランス周辺では、パリ・サンジェルマン対インテル・ミラノのUEFAチャンピオンズリーグ決勝が大型スクリーンで映し出され、4万人のファンが5対0の大勝に沸いていました。
花火が打ち上がり、大きな歓声が響く中、ローランギャロスのフィリップ・シャトリエでは、ジョコビッチが淡々と仕事をこなすようにポイントを積み重ねていました。第3セットに入っても集中力は途切れず、「今夜は長引かせるつもりはない」と言わんばかりのテンポの良さで、一気に試合を締めくくりました。
若手の挑戦を退けた38歳の揺るぎない強さ
第2セットでは、一時2-1とミソリッチにリードを許し、ブレークのピンチも迎えました。それでもジョコビッチは要所でサービスとリターンの質を上げ、ブレークを許しません。あるポイントでは、ネット際での競り合いからミソリッチが転倒し、汗で濡れたシャツにクレーコートの土がびっしり付着しました。
その場面で、ジョコビッチは相手を気遣うようにユニフォームに付いた土を払うしぐさを見せ、観客から大きな拍手が送られました。スポーツマンシップを示した直後には、バックハンドのウィナーでミソリッチのサービスゲームを破り、セットカウント2-0とリードを広げます。
第3セットも流れは変わりませんでした。ジョコビッチは相手のパワーショットに対しても落ち着いてボールを散らし、ミスを誘う展開に持ち込みます。前のラウンドで問題となっていたマメ(まめ)や水ぶくれの影響もこの日は見られず、フィジカル面でも不安を感じさせない内容でした。
数字で見るジョコビッチの今大会
ジョコビッチの今大会ここまでの戦いぶりを、簡単に整理します。
- 全仏オープンでの通算成績:99勝目を達成
- 今大会3回戦まで:いまだセットを1つも落とさず勝ち上がり
- 前哨戦:ジュネーブでキャリア通算100個目のタイトルを獲得
- 全仏オープンでは2010年以降、毎年準々決勝以上に進出し続けているという安定感
- 今大会の目標:キャリア通算25度目の四大大会制覇
一本一本のショットの質だけでなく、長期的な安定感こそがジョコビッチの強みです。今年の全仏でも、その「当たり前」を静かに更新し続けていると言えます。
次戦はノリー戦 「歴史のために」戦い続ける
4回戦でジョコビッチが対戦するのは、イギリスのキャメロン・ノリーです。左利きで粘り強いプレースタイルが持ち味のノリーは、長いラリー戦にも対応できるだけに、ジョコビッチにとっても集中力が試される一戦となりそうです。
ジョコビッチは、全仏前のジュネーブでキャリア100個目のタイトルを手にしたばかり。今大会でもここまで3試合連続でストレート勝ちを収めており、波に乗った状態で決勝トーナメントの後半戦へ向かいます。
試合後、ジョコビッチは「このコートに立つたびに、歴史のためにプレーしている」と語りました。単に1勝を積み重ねるのではなく、「歴史」を意識しながらプレーしているという言葉は、長年トップで戦い続けてきた選手ならではの重みを感じさせます。
もし次戦でノリーを破れば、全仏オープンでの勝利数は、これまで最も得意とされてきた全豪オープンでの勝利数を上回ることになります。同時に、2010年以降毎年守り続けている「全仏での最低でも準々決勝進出」という基準も継続されることになります。
「読みやすいのに考えさせられる」視点
38歳でなおトップレベルを維持し、若手の挑戦を退けながら、記録と記憶の両方を更新し続けるジョコビッチ。その姿は、単なるスポーツの枠を超え、「長く成果を出し続けるとはどういうことか」という問いを投げかけているようにも見えます。
結果だけを追えば、99勝目という数字や16強入りという事実がクローズアップされます。しかし、その裏側には、負傷を抱えながらも調整を重ねる日々や、相手へのリスペクトを忘れない態度、そして「歴史」という長い時間軸で自らを位置づける視点があります。
次の1勝で迎える全仏100勝の大台、そして25度目の四大大会制覇。その一つひとつの試合は、テニスファンにとってだけでなく、「キャリアの長さ」と「ピークの質」について考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Novak Djokovic eases into last 16 with 99th French Open win of career
cgtn.com








