EUが風力大手・金風科技を調査、中国は「差別的措置」と指摘
EU(欧州連合)が中国本土の風力発電機メーカー「金風科技(Goldwind)」への補助金調査を深める中、中国外務省と商務部(MOFCOM)が2026年2月4日、「差別的な措置を含む」として懸念を表明しました。再生可能エネルギーの拡大を急ぐ欧州で、産業政策と公正競争の線引きが改めて焦点になっています。
何が起きた?—EUが「外国補助金」の可能性を精査
欧州委員会(European Commission)は2月3日、金風科技について、EU域内市場をゆがめ得る「外国補助金」を受けた可能性があるとして、詳細調査(in-depth investigation)を開始したと発表しました。
EU側が念頭に置く「補助金」の例として、次のような項目が挙げられています。
- 助成金(grants)
- 優遇税制(preferential tax measures)
- 融資などの優遇金融(preferential financing in the form of loans)
金風科技は風力発電設備のメーカーで、新規導入(新規設置)容量の世界ランキングで3年連続1位とされています。
中国側の反応—「保護主義的なシグナル」との見方
中国外務省の報道官、林剣(Lin Jian)氏は2月4日、EUが一方的な経済・貿易ツールに繰り返し頼り、中国企業に対して差別的措置を取っているとして、「保護主義的なシグナルを発している」と述べました。
またMOFCOMの報道官も同日、EUが最近「外国補助金規則(Foreign Subsidies Regulation)」を頻繁に用いて中国企業への調査を立ち上げており、明確に標的を定めた差別的なものだ、という認識を示しています。
MOFCOMはさらに、こうした調査手法が中国・EU間の産業協力(相互利益)を乱し、欧州への投資に対する中国企業の信頼を弱め、EU自身や世界のグリーントランジション(脱炭素移行)のペースを鈍らせる可能性があるとも指摘しました。
2025年1月の経緯—MOFCOMは「貿易・投資障壁」と結論
MOFCOMによると、2025年1月には調査の結果、EUの関連する慣行が中国法上の「貿易・投資障壁」に当たると結論づけた経緯があるといいます。今回の金風科技をめぐる動きは、その延長線上で受け止められている面もありそうです。
企業側は「コンプライアンス重視」を強調
金風科技は2月4日、グローバル事業の中核にコンプライアンス(法令順守)を置いており、国際規範および現地規制を順守しつつ、強固なガバナンスを維持していると説明しました。
今後の焦点—「公正な競争」と「脱炭素」の両立は可能か
今回の案件は、EUが域内産業の競争条件を守ろうとする動きと、再生可能エネルギーの導入を加速したい現実が、同時に進む局面を映しています。中国側はEUに対し、市場開放の約束を尊重し、あらゆる国の企業に「公平・透明・非差別的」なビジネス環境を提供するよう求めています。
調査の結論がどこに落ち着くかだけでなく、企業の投資判断やサプライチェーン、そして欧州のグリーン移行のスピードにどのような影響が出るのか。2026年の中国・EU経済関係を占う論点として注目されます。
Reference(s):
China responds to EU investigation into wind turbine maker Goldwind
cgtn.com








