中国の生態文明を世界へ IUCN世界自然保護会議と「二つの山」理念20年 video poster
中国の環境政策や「生態文明」の取り組みが、国際会議の場でどのように共有されているのか――2025年、提唱から20年を迎えた「二つの山」理念を軸に、中国がIUCN世界自然保護会議で示した事例が注目されています。
アブダビで開かれたIUCN世界自然保護会議
2025年、アラブ首長国連邦のアブダビで国際自然保護連合(IUCN)の世界自然保護会議が開催されました。会議は10月14日まで続き、中国を含む各国・地域の代表が自然保護や持続可能な社会づくりについて意見を交わしました。
この場で、中国自然資源省は、生態保護と生態系の修復に関する成功事例を紹介しました。こうした経験を共有することで、より調和的で持続可能な世界の実現に向けた対話と協力を広げることがねらいとされています。
20周年を迎えた「二つの山」理念とは
今回の発信の背景には、習近平国家主席が20年前に示した「二つの山」理念の節目があります。この理念は、「澄んだ水と豊かな緑の山々は、金や銀の山にも匹敵する価値を持つ」という考え方で、環境保護と経済発展を対立ではなく両立させる方向性を示しています。
2025年は、この理念が提唱されてから20年にあたる年です。中国にとっては、自国の経験を振り返ると同時に、生態文明づくりの成果や課題を国際社会と共有するタイミングでもあります。
生態保護・修復の成功事例を共有する意味
中国自然資源省がIUCN世界自然保護会議で紹介したのは、生態系を守り、損なわれた自然環境を再生するための取り組みです。これらの事例は、自然を単なる資源ではなく、未来世代に引き継ぐべき重要な資産と見なす姿勢を体現しています。
会議の場でこうした経験を共有することには、少なくとも次のような意味があります。
- 各国・地域が互いの経験から学び、自国の政策づくりに生かすきっかけになること
- 環境保護と経済発展を両立させる具体的なイメージを共有できること
- 地球規模の環境問題に対し、長期的な協力関係を築きやすくなること
中国が自らの事例を示すことは、自国の取り組みをアピールするだけでなく、国際社会における対話の土台を増やす試みとも言えます。
なぜいま「生態文明」が国際ニュースになるのか
環境や資源をどう扱うかは、単なる環境政策にとどまらず、社会のあり方そのものに関わるテーマです。中国が掲げる「生態文明」というキーワードには、経済成長の質を問い直し、人と自然の関係を再設計しようとする意味合いが込められています。
IUCN世界自然保護会議で、中国が自国の経験を整理して発信したことは、環境問題をめぐる国際対話の選択肢を増やす動きとも受け止められます。他国と異なるアプローチを示すことが、新たな議論や協力のきっかけになる可能性もあります。
日本の読者への問いかけ
日本でも、地域の自然を守りながら経済や暮らしを成り立たせることは、地方の活性化やエネルギー政策などと密接に結びついた課題です。
「澄んだ水と緑豊かな山々は、金や銀の山に匹敵する」という「二つの山」理念を、自分の生活や地域に当てはめると何が見えてくるでしょうか。IUCN世界自然保護会議で共有された事例は、遠い国の話であると同時に、私たち自身の選択を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
China shares ecological civilization achievements at IUCN World Conservation Congress
cgtn.com








