ウクライナ第2の都市ハルキウに過去最強のロシア攻撃 市長が警告
2025年6月上旬、ウクライナ第2の都市ハルキウが、ロシアによるドローンやミサイル、誘導爆弾を伴う大規模攻撃を受けました。地元当局によると少なくとも4人が死亡し、60人以上が負傷したと伝えられています。
市長「全面戦争開始以来で最も強力な攻撃」
ハルキウはロシア国境から数十キロの位置にあり、3年以上続く戦争の中で継続的な砲撃にさらされてきました。その中でも、今回の攻撃は「全面戦争開始以来で最も強力」だとされています。
ハルキウのイーホル・テレホフ市長は、通信アプリのテレグラム上で、今回の攻撃について「ハルキウは現在、全面戦争開始以来で最も強力な攻撃を受けている」と述べ、緊迫した状況を伝えました。
ドローン、ミサイル、誘導爆弾が同時投入
地元当局によると、今回のロシアの攻撃は夜間から夕方にかけて行われ、大量のドローン(無人機)、ミサイル、誘導爆弾が使用されました。
- 少なくとも4人が死亡
- 乳児を含む60人以上が負傷
- 市内の民間の工業施設が攻撃を受け、大規模な火災が発生
オレフ・シニェフボウ州知事によると、この工業施設には40機のドローンと1発のミサイル、4発の爆弾が撃ち込まれたとされています。現場にはがれきの下に取り残されている人がいる可能性も指摘されました。
その後、夕方にはロシア軍機が再びハルキウを誘導爆弾で攻撃しました。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、これを「もう一つの残酷な殺りくだ」と強く非難し、「過去24時間で数十人が負傷した」と述べています。
ウクライナ全土への攻撃と防空の対応
ウクライナ軍によれば、この夜、ロシアはハルキウだけでなくウクライナ各地を標的に、合計206機のドローンと、弾道ミサイル2発、その他のミサイル7発を発射しました。
ウクライナ側は、防空部隊が87機のドローンを撃墜したと説明しています。また、約80機のドローンについては、電子戦によって進路をそらしたか、もともと弾頭を搭載していない「模擬ドローン」だったとしています。
ロシア側は「軍事目標への攻撃」と主張
ロシア国防省は、夜間に行った攻撃について、弾薬庫やドローン組立工場、兵器の修理拠点など、ウクライナの軍事および軍事関連施設を標的にしたものだと発表しました。一方で、ハルキウで報告されている死傷者についてはコメントしていません。
「報復」として続く大規模攻撃
ロシアはここ数日、ウクライナ各地に対する大規模な空爆を繰り返しています。ロシア側は、ウクライナによるロシア国内の鉄道インフラや空軍基地への攻撃への「報復」だと主張しています。先週末には、ウクライナのドローン攻撃により、ロシア軍機41機が被害を受けたとされています。
その後も、木曜の夜にはウクライナ全土に対して大規模なドローン・ミサイル攻撃が行われ、金曜日には首都キーウにも激しいミサイルとドローンの集中攻撃がありました。ロシア国防省は、これらの攻撃も「ウクライナによるテロ行為への対抗措置」であり、軍事および軍事関連施設のみを狙ったと説明しています。
なぜハルキウが狙われ続けるのか
ハルキウは、人口規模でウクライナ第2の都市であり、ロシア国境に比較的近い位置にあります。そのため、戦争が始まって以来、砲撃やミサイル攻撃の最前線となってきました。
今回のように、ドローン、ミサイル、誘導爆弾が組み合わさった攻撃は、防空システムにとって大きな負担となります。比較的安価で大量投入が可能なドローンと、高威力のミサイルや爆弾を組み合わせる戦術は、近年の戦闘の特徴の一つになりつつあります。
長期化する戦争と市民生活への影響
3年以上続く戦争の中で、ウクライナの大都市は繰り返し攻撃を受け、市民生活やインフラへの影響が深刻化しています。工業施設やエネルギー施設が標的になることで、経済活動の停滞や停電リスクも高まります。
一方で、ロシア側は「軍事目標のみを攻撃している」と説明し、ウクライナ側は「民間施設への攻撃だ」と訴える構図が続いています。双方の主張の間で、最も大きな負担を強いられているのは、現地で生活する人々だといえます。
このニュースから考えたいこと
ハルキウへの攻撃は、個別の都市への空爆というだけでなく、現在の戦争のあり方を象徴する出来事でもあります。
- ドローンや電子戦など、新しい技術が戦争の形を大きく変えつつあること
- 軍事施設と民間施設の境界があいまいになり、市民が直接被害を受けやすくなっていること
- 「報復」の連鎖が続く中で、緊張緩和や停戦の糸口が見えにくくなっていること
国際ニュースとして遠くの出来事に見えるかもしれませんが、都市への攻撃やインフラの破壊、ドローンを使った戦争の拡大は、多くの国や地域にとっても無縁ではありません。今後もハルキウを含むウクライナ情勢がどのように推移するのか、引き続き注視する必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








