セルビアで中国対話会議 グローバル・ガバナンス改革を議論 video poster
セルビアの首都ベオグラードで「第5回 China Dialogue Conference(中国対話会議)」が開かれ、37カ国から140人を超える参加者が集まり、中国のグローバル・ガバナンス構想(GGI)と国際秩序の改革について議論しました。
ベオグラードで第5回中国対話会議
会議は、外交部傘下の中国国際問題研究院と共催され、「人類の共有未来の構築」「国連の役割強化」「より公正な国際秩序の実現」といったテーマに焦点を当てました。中国の役割やグローバル・ガバナンスの枠組みをめぐって、各国の研究者や政策担当者が意見を交わしました。
会場の近くでは、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長を迎える式典も同時に行われており、東と西の間でバランスを取ろうとするセルビアの外交姿勢を象徴する場面となりました。
現行国際秩序への3つの問題意識
会議の中では、現在の国際秩序やグローバル・ガバナンスの「制度的な欠陥」を指摘する声が相次ぎました。習近平外交思想研究センターの張偉鵬・副主任は、特に次の3点の課題を挙げています。
- グローバル・サウス、とりわけ開発途上国や新興国の代表性が十分に確保されていないこと
- 国連憲章の目的と原則が十分に守られず、国連の権威が損なわれていること
- 国際法と国際ルールが十分に機能していないこと
こうした問題認識を踏まえ、中国が提唱するGGIを通じて新たな枠組みづくりを模索すべきだという議論が展開されました。
中国のグローバル・ガバナンス構想(GGI)の原則
中国のグローバル・ガバナンス構想(GGI)は、平和と開発を重視し、対立よりも協力、分断よりも連結性を掲げる一連の原則から成り立つとされています。
ベオグラードの国際政治経済研究所のブラニスラフ・ジョルジェビッチ所長は、GGIに含まれる5つの原則について「世界が戦争や兵器ばかりに目を向けがちな時期に、前向きに考えるための指針になり得る」と評価しました。世界が崩壊のふちにあるかのように語られる中で、こうした原則に目を向ければ「理想的な社会像が見えてくるのではないか」という見方も示されています。
グローバル・サウスに響く「開発」と「連結性」
会議では、グローバル・サウスの参加者から、開発とつながり(コネクティビティ)を重視するアプローチへの共感が相次ぎました。
ナイジェリア政府機関の担当者は、中国がアフリカ諸国やBRIC諸国を支援し、共に発展しようとしている点を挙げたうえで、「世界は一つであるべきであり、その実現に向けて中国が主導的な役割を果たしている」と述べました。中国の開発モデルや急速なインフラ整備、貧困削減の経験が、GGIの目指す姿として紹介された形です。
インフラ協力の象徴:ベオグラードとブダペストを結ぶ鉄道
具体例として取り上げられたのが、中国の支援を受けて近代化が進められたセルビアとハンガリーの首都ブダペストを結ぶ鉄道です。
この鉄道プロジェクトは、国境を越えたインフラ連結と地域発展を同時に進める取り組みとして、GGIが掲げる「互いにつながる世界」の象徴と位置づけられました。
私たちが考えたいポイント
今回の中国対話会議からは、いくつかの問いが浮かび上がります。
- グローバル・サウスの声をどのように国際機関やルールづくりに反映させるのか
- 平和と開発を同時に追求するために、国連と国際法の役割をどう強化していくのか
- 東西の間に位置するセルビアのような国が、対立を超えた対話の場をどうつくっていけるのか
2025年の世界は、多極化と分断が同時に進む不安定な局面にあります。ベオグラードで交わされた議論は、国際社会がより公平で包摂的なグローバル・ガバナンスを模索するうえで、一つの重要な試金石になりそうです。
Reference(s):
Serbia's China Dialogue Conference pushes for global governance reform
cgtn.com








