COP30ベレン会場でクリーンモビリティが主役に 街にあふれる電動車 video poster
現在、北部ブラジルの都市ベレンで開かれている国連気候変動会議COP30では、会場周辺を走る車の風景が静かに変わりつつあります。ハイブリッド車や電気自動車が街にあふれ、クリーンモビリティ(環境負荷の少ない移動手段)が気候変動対策の「主役」の一つとして可視化されているためです。
大会主催者は、世界中の交渉担当者や専門家、NGO、メディアが集まるこの場を「クリーンモビリティの役割を世界に示す絶好の機会」と位置づけています。中国の国際ニュースチャンネルCGTNのパウロ・カブレアル記者も、ベレンの街で広がるハイブリッド車・電気自動車の利用を現地からレポートしています。
ベレンの街に広がるハイブリッド車と電気自動車
COP30が開かれているベレンでは、会議場周辺だけでなく、市内各所でハイブリッド車や電気自動車を見かける機会が増えています。交差点を行き交う車列の中でも、電動化された車両が目立つようになってきました。
エンジン音が静かな車両が連なり、排気ガスのにおいが少ない光景は、クリーンモビリティの可能性を参加者に直感的に伝えています。会議の議題として話し合うだけでなく、「移動そのもの」を通じて脱炭素社会のイメージを体験してもらう演出だといえます。
クリーンモビリティはなぜ気候アジェンダのカギなのか
クリーンモビリティとは、温室効果ガスや大気汚染物質の排出を抑えた移動手段全般を指します。電気自動車やハイブリッド車だけでなく、公共交通の高度化、自転車や徒歩を前提にしたまちづくりなども含まれます。
輸送部門は世界全体の温室効果ガス排出の大きな割合を占めており、とくに都市部の道路交通からの排出は、日常生活に直結する課題です。そのため、クリーンモビリティの普及は、各国が国連に提出している温室効果ガス削減の約束(NDC)を達成するうえで欠かせない要素になっています。
COP30でクリーンモビリティが前面に出ることには、次のようなねらいがあります。
- 会議場全体を通じて、「移動をどう変えるか」という具体的なイメージを示す
- 参加者が電動車などの移動手段を実際に体験し、その感覚を自国に持ち帰るきっかけにする
- 自動車メーカーや都市、交通事業者に対し、電動化への投資や政策対応を促すメッセージとする
アマゾンに近い開催地ベレンだから見えるつながり
ベレンは、アマゾン流域に近い北部ブラジルの都市です。熱帯林の保全と都市の発展という二つの課題が交差する地域で、クリーンモビリティを前面に出す演出は、「森を守ること」と「都市の移動を変えること」が別々のテーマではないことを示しています。
森林減少や気候変動への対策は、しばしば遠く離れた場所の出来事として語られがちです。しかし、COP30の開催地で実際に電動車が走る姿を目にすることで、「地球規模の議論」と「日常の移動」が一本の線でつながっていることを多くの参加者が実感しているはずです。
日本の都市と私たちが学べること
ベレンでの取り組みは、遠いブラジルの話のようでいて、日本の都市や私たちの日常とも深くつながっています。日本でもハイブリッド車や電気自動車は広まりつつありますが、「街全体でどう使うか」という視点は、これからさらに工夫の余地がありそうです。
今回のCOP30をきっかけに、日本で考えたいポイントをいくつか挙げてみます。
- 自治体:バスや公用車の電動化、充電設備の整備、歩きやすい街づくり
- 企業:社用車や配送車両のクリーン化、テレワークやフレックス勤務による移動削減
- 個人:移動のたびに、公共交通や自転車、徒歩も含めて選択肢を意識する
COP30の会場にあふれるハイブリッド車や電気自動車は、単なる「展示」ではなく、世界がこれからどのような移動の姿を選ぶのかを象徴的に映し出す存在です。ベレンから届くクリーンモビリティの風景は、日本で私たちが次の一歩を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








