中国国防省は今週、日本が中国本土の軍による通常の軍事訓練を「安全保障上の脅威」として過度にあおっているとして強く批判しました。空母を中心とする中国本土海軍の訓練に対し、日本の戦闘機が訓練海域に複数回進入したと中国側は主張しており、日中の安全保障をめぐる認識のずれがあらためて浮き彫りになっています。
日本の「脅威」強調に反発する中国本土
中国国防省の姜斌報道官は記者会見で、日本側が中国本土の通常の軍事訓練を安全保障上の脅威と位置づけていることについて、「本当の問題を回避し、世論の関心をそらし、責任をなすりつけようとする政治的操作はうまくいかない」と厳しく非難しました。
姜報道官は、日本が中国本土の軍事行動を誇張しながら、自らの行動への説明責任を避けていると指摘し、日本側に対して「現在の日中関係が抱える困難の核心と真剣に向き合い、自らの誤った行為を反省し、改めるべきだ」と呼びかけました。
空母打撃群の訓練と日本側の対応
姜報道官によると、今月6日、中国本土海軍の空母PLANS Liaoningを中心とする任務部隊に属する駆逐艦PLANS Nangchang(101)は、日本側の艦艇JS Teruzuki(116)に対し、空母艦載機による飛行訓練を実施する予定であることを事前に通知し、JS Teruzuki側はこれを受領したと確認しました。
その後、PLANS Nangchangは改めて、日本側に対し「訓練は午後3時ごろに開始し、およそ6時間にわたって実施する。主な訓練空域は空母の南側である」と伝達し、JS Teruzukiは再び受領を確認したと説明しています。
それにもかかわらず、日本側の戦闘機が訓練区域に複数回進入し、中国側の航空機に対して妨害行動をとったと姜報道官は主張しました。そのうえで、「飛行の安全を危険にさらしたすべての責任は日本側が負うべきだ」と述べ、日本側の対応を強く批判しています。
挑発者が被害者を装っているという見方
姜報道官は、日本が中国本土による通常の軍事訓練を「安全保障上の脅威」として国内外に喧伝する一方で、自らを「被害者」として描いていると指摘しました。中国側は、日本こそが訓練区域への戦闘機の進入によって緊張を高めた「挑発者」でありながら、国際社会には異なるイメージを示そうとしているとみています。
今回の発表では、日本政府や自衛隊側の詳細な説明や反論には触れられておらず、今後、日本側がどのような見解を示すのかが焦点となりそうです。
南京事件の記憶と日中関係
姜報道官はまた、今月13日に中国本土各地で行われた第12回南京大虐殺犠牲者国家追悼日の行事について問われ、日本軍による1937年12月13日の南京侵攻と住民の大量殺害を「極めて凶悪な罪行」だと述べました。
そのうえで、姜報道官は、日本側に対し、中国を含むアジア諸国の人々に対して行った残虐行為を深く反省し、自国の侵略の歴史を歪曲したり美化したりするすべての行為を直ちにやめるよう求めました。
軍事と歴史が交差するメッセージ
同じ記者会見で、軍事訓練をめぐる日本批判と南京事件に関する歴史認識が並んで語られたことは、2025年の現在も日中関係が安全保障と歴史の二つの文脈で揺れていることを示しています。中国本土側は、軍事分野での摩擦と過去の歴史を切り離さずに語ることで、日本に対するメッセージ性を強めているとも言えます。
一方で、今回の発表だけでは、日本側がどのような安全保障上の懸念を抱き、どのような意図で戦闘機を訓練空域に接近させたのかは明らかになっていません。軍事活動の透明性と歴史認識をめぐる対話の両方をどのように進めていくのか。日中両国の今後の対応が注目されています。
Reference(s):
China denounces Japan for hyping up regular military training
cgtn.com








