NASA「ジュノー」解析で木星は想定より小さく扁平と判明
木星は「太陽系最大の惑星」として知られていますが、その“定規”が少し更新されました。NASAは今週(現地時間の水曜日)、探査機ジュノー(Juno)の観測データから、木星が従来考えられていたよりわずかに小さく、より扁平(つぶれた形)だと示されたと発表しました。
何が分かった?木星は「少し小さく、少しつぶれている」
Nature Astronomyに掲載された最新研究によると、ジュノーが行った13回の近接フライバイ(接近観測)のデータを解析し、さらに木星の帯状風(zonal winds)の影響も取り入れた結果、次のような差が示されました。
- 赤道方向の幅:従来の推定より約8km小さい
- 極方向の形:従来の推定より約24km平たく(より扁平に)見積もられる
「大きな差」に見えないかもしれませんが、惑星の内部構造を扱う研究では、こうした微差がモデルの精度に効いてきます。
どう測った?「電波掩蔽(えんぺい)」で雲の奥をのぞく
今回の鍵になったのは「電波掩蔽(radio occultation)」と呼ばれる手法です。木星は厚い雲に覆われ、光学的には内部の情報が見えにくい天体ですが、電波を使うことで大気中を通る際の変化を手がかりに、構造を推定できます。
NASAによると、掩蔽実験ではジュノーが地球側のNASA深宇宙ネットワーク(Deep Space Network)に向けて電波を送信します。地球から見てジュノーが木星の背後に回り込む配置になると、電波は木星大気を通過してから地球に届きます。
研究の筆頭著者であるイスラエル・ワイツマン科学研究所の惑星科学者エリ・ガランティ氏はロイターに対し、地球から見た配置の中でジュノーの信号が木星大気を通る状況を利用し、信号の変化を測ることで「大気の組成、密度、温度」を反映した情報から、サイズと形状を高精度に決められたと説明しました。また、この幾何学的配置はジュノーのプライムミッション(当初の主要運用期間)では起きなかったため、当初は計画されていない実験だったとも述べています。
なぜ重要?木星の半径は「系外惑星モデルの基準」になる
NASAは、木星の正確な半径が、他の恒星系にある巨大系外惑星(giant exoplanets)をモデル化する際の重要な較正基準(キャリブレーション)になるとしています。つまり、身近な“基準のものさし”が精密になるほど、遠くの惑星の観測解釈も整っていきます。
特に、惑星が主星の前を通過する際の観測(トランジットの観測解釈)では、惑星の形状や半径の扱いが結果に影響し得ます。木星の理解が更新されることは、遠方の巨大惑星を読み解く精度にも静かに波及していきそうです。
Reference(s):
NASA's Juno mission finds Jupiter smaller than previously thought
cgtn.com








