イラン・米国、第2回協議は近日か 濃縮ウラン「国内維持」をめぐる攻防
イランと米国の次の協議が「数日以内」に見込まれる一方で、最大の焦点は「イラン国内でのウラン濃縮を続けるかどうか」に移っています。2026年2月10日時点で、会場と日程は確定していません。
何が起きた?――「全面停止要求」への正式な反発
イランは2月9日、米国側の主要要求とされる「国内でのウラン濃縮を全面的に終了すること」を正式に退けました。同時に、慎重な外交姿勢を取りつつ、軍事面の備えも強める「二正面」の構えを示しています。
背景には、先週オマーンで行われた間接協議があります。ただ、地域の緊張が続くなかで大きな突破口には至らなかったとされています。
第2回協議はいつ、どこで?――オマーン調整の行方
第2回協議の日時と場所は未確定です。米国のドナルド・トランプ大統領は協議継続を主張し、イランのセイエド・アッバス・アラグチ外相も「今後数日以内」に会合が見込まれると述べています。
また、2月10日には、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が米国を訪問予定だと報じられています。ネタニヤフ氏は、イランの濃縮ウランを国外へ移送することや、弾道ミサイル能力への制限を米国が強く求めるよう迫る見通しとされています。
一方で、イラン側は最高指導者アリ・ハメネイ師の上級顧問アリ・ラリジャニ氏が代表団を率いて、同じく2月10日にオマーンの首都マスカットへ向かう予定だと伝えられています。
争点の中心「濃縮ウラン」――“国外搬出”は議題外
交渉の核心は、濃縮ウランをどう扱うかです。イラン原子力庁(AEOI)のモハンマド・エスラミ長官は2月9日、イランが保有する濃縮度60%のウランについて、制裁が全面解除されることを条件に「希釈(濃縮度を下げること)」を検討し得ると初めて言及しました。
ただしエスラミ長官は同日、濃縮ウランをイラン国外へ運び出す案は交渉の議題にないと明言。こうした話は「圧力をかけようとする他の当事者」から主に出ており、仮に一部の個人や国が“助言”として提案したとしても、正式交渉では議論していないという認識を示しました。
イランの「レッドライン」と、イスラエルの強硬姿勢
アラグチ外相は、先週のオマーン協議後に、米国との交渉におけるイラン側の2つの「レッドライン(越えられない一線)」を明らかにしています。
- ウラン濃縮は「奪い得ない権利」
- ミサイル計画は「交渉不可」
これに対し、現在の交渉の重要な変数とみられるイスラエルは、テヘラン側の要求を全面的に受け入れない立場を明確にしていると、中国メディアグループ(CMG)は伝えています。イスラエル国防省の当局者が米側に対し、イランの弾道ミサイル計画を「存立に関わる脅威」と位置づけ、イスラエルが設定する“レッドライン”を越えた場合は単独行動も辞さないと警告したとも報じられました。
分析としては、イランが長年の米制裁やイスラエルからの軍事的圧力などを受け、ミサイル能力を国家防衛の中核として「交渉できない柱」に据えてきた、という見方が紹介されています。またCMGによれば、軍事観察者の魏東旭氏は、ミサイル能力が抑止力であるだけでなく、米国との交渉上の重要なレバレッジ(てこ)にもなっていると述べています。
オマーンは「第3の対話メカニズム」――公開型の枠組みへ
今回のオマーンでの核協議は、2025年6月の米国によるイラン核施設への空爆以降では初めてとされています。アラグチ外相は2月9日、次回協議の日時・場所はオマーンとの協議で決める考えを示しました。
西北大学・国際戦略研究センターの王晋主任(CMGでの発言)によると、2025年6月以前にはドーハと欧州に「公の対話メカニズム」があり、オマーンは3つ目に当たります。従来のオマーンは非公開に近い間接仲介だった一方、今回はより公開性のある対話・連絡の枠組みとして動いており、今後何らかの成果が出る可能性が高いという見立てです。
「希釈」と「制裁解除」の取引は成立するのか
現時点の材料だけでも、交渉の構図は見えてきます。
- 米国側:濃縮活動の停止・制限、濃縮ウランの扱い、ミサイル能力の制約を重視
- イラン側:濃縮の権利維持、ミサイルは交渉外、制裁解除が前提
- 周辺要因:イスラエルの強硬姿勢、地域緊張の継続
「濃縮ウランの国外搬出は議題外」というイランの線引きは、交渉の選択肢を狭める一方で、「制裁解除と希釈」という交換条件を前面に出すことで、落としどころを探る余地も示した形です。第2回協議がいつ、どの形式で開かれるのか——まずはオマーンの調整が次の焦点になりそうです。
Reference(s):
Second Iran-U.S. talks pending: What's the enriched uranium debate?
cgtn.com








