ナイジェリア、新原油「Cawthorne」を3月から輸出へ—増産回復を固める狙い
ナイジェリアの国営石油会社NNPC(Nigerian National Petroleum Company)は、新しい軽質・低硫黄原油(ライト・スイート)「Cawthorne」を、来月3月(2026年3月)から輸出する予定です。生産量の回復基調を「一過性で終わらせない」ための一手として注目されています。
3月第3週に初出荷、すでに積み込み入札も
業界筋によると、最初のCawthorneのカーゴ(輸出船積み分)は3月第3週に積み込みが予定されています。トレーダー筋の話として、NNPCは3月24〜25日積み込みの入札も出したとされます。
Cawthorneとは?「Bonny Light」に近い品質
CawthorneはAPI度(原油の軽さの指標)が36.4で、ナイジェリアの代表的な指標油種であるBonny Lightに近い水準です。ガソリンや軽油の得率が高いとされ、製油所にとって使い勝手のよい原油になりやすい、という見方が出ています。
輸出のカギはFSO(浮体式貯蔵積出設備)
分析会社Kplerによれば、CawthorneはFSO(Floating Storage and Offloading:浮体式貯蔵積出設備)船「Cawthorne」を通じて輸出される見通しです。このFSOの貯蔵能力は約220万バレルとされます。
同施設の活用により、ナイジェリア東部のニジェール・デルタにあるOil Mining Lease(OML)18と周辺油田からの生産・搬出(エバキュエーション)が強化される期待があります。
生産量は「1.65→1.7百万bpd」へ?(Kpler推計)
Kplerは、貯蔵・積み込み能力次第では、新ストリーム(新油種)の立ち上げが、ナイジェリアの原油・コンデンセート合計の生産を約165万bpdから約170万bpdへ押し上げ、今年(2026年)の残り期間に寄与しうると推計しています。
背景:盗油・破壊行為・治安が生産の重しに
今回の新油種立ち上げは、同国が長年直面してきたパイプライン破壊行為、盗油、治安悪化といった要因で不安定になりがちだった生産を、より安定させる狙いの文脈に位置づけられます。
また、ナイジェリアは近年、新たな原油ストリームの投入を進めており、今回のCawthorneはその延長線上にあります。
- Utapate:2024年にロールアウト
- Obodo:2025年にロールアウト
- Cawthorne:2026年3月から輸出開始見通し
OPEC+の「枠」と現実:1月は1.48百万bpd
ナイジェリアのOPEC+における原油の生産割当(クオータ)は150万bpdです。OPECのデータによると、同国の生産は1月に148万bpdでした。
新油種の輸出開始は、足元の増産回復を固めつつ、OPEC内での立ち位置を強め、将来的により高い生産枠を求めやすくする狙いとも重なります。一方で、供給増を支える現場の安全や物流の安定が、どこまで継続できるかも引き続き焦点になりそうです。
要点まとめ(さっと把握)
- NNPCが新油種Cawthorneを2026年3月から輸出予定
- 初出荷は3月第3週、3/24〜25積み込み入札も
- API度36.4で、Bonny Lightに近い軽質・低硫黄系
- FSO「Cawthorne」(貯蔵約220万バレル)で輸出
- Kpler推計:生産は約165万→約170万bpdへ(原油・コンデンセート合計)
Reference(s):
cgtn.com








