イラン、攻撃継続なら「中東の経済拠点」報復も ホルムズ海峡閉鎖に言及
中東情勢の緊張が、エネルギー価格と物流リスクに直結し得る局面に入っています。イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)の将軍が2026年3月3日(火)、攻撃が続くなら中東の「すべての経済センター」を標的に報復し得ると警告し、ホルムズ海峡の「閉鎖」にも言及しました。
何があったのか:IRGC幹部が「経済センター」への報復を示唆
イラン側の発信として、IRGCのエブラヒム・ジャバリ将軍は「敵が我々の主要拠点を攻撃するなら、我々は地域のすべての経済センターを攻撃する」と述べたと、イランの通信社ISNAが伝えています。発言は、米国・イスラエルによる攻撃が継続しているとの認識を前提にした警告という位置づけです。
「ホルムズ海峡を閉鎖した」発言と、原油市場の反応
ジャバリ将軍はさらに「我々はホルムズ海峡を閉鎖した。現在、原油価格は80ドルを上回っており、近く200ドルに達する可能性がある」と述べたとされています。
同時に市況面では、北海ブレント原油が85ドルを上回り、2024年7月以来の水準になったとされています。市場参加者が注視するのは、供給そのものだけでなく、輸送・保険・決済などの“摩擦コスト”が上がるかどうかです。
ホルムズ海峡が注目される理由
ホルムズ海峡は、原油やLNG(液化天然ガス)を積んだタンカーの通行が集中する要衝として知られます。仮に通航が不安定になれば、実際の供給量が直ちに減らなくても、次のような形で価格に影響が出やすくなります。
- タンカーの運航ルート変更や遅延
- 海上保険料・用船料の上昇
- 輸送リスクを見込んだ在庫積み増し(買い急ぎ)
- 企業の調達コスト上昇が物価に波及
今回の発言が示す「狙い」と読みどころ
「経済センター」という表現は対象を広く取れる一方で、具体的な地点や条件が明示されていないため、受け止め方によって市場の反応が振れやすい言い回しでもあります。軍事的な応酬の拡大だけでなく、エネルギーと物流をめぐる不確実性を通じて圧力をかける意図がにじむ発言と言えます。
今後の注目点:価格だけでなく“流れ”を見る
今後の焦点は、原油のスポット価格(足元の価格)に加えて、供給網の「流れ」が細るサインが出るかどうかです。具体的には、次の指標が手掛かりになります。
- ホルムズ海峡周辺の航行状況や迂回の増減
- 海上保険料・運賃(フレート)の動き
- 原油先物の期近・期先の価格差(タイト化の度合い)
- 主要産油国・関係国の追加発信や調整の動き
エネルギーは、地政学リスクが最も早く数字に表れる分野の一つです。今回の警告が実際の行動につながるのか、それとも抑止を狙ったメッセージにとどまるのか——市場は「言葉の強さ」だけでなく「物流の変化」を材料に織り込みを進めそうです。
Reference(s):
Iran says will hit all Mideast economic hubs if attacks persist
cgtn.com








