中国、最大級の国産LNG船「Celsius Georgetown」を納入 video poster
エネルギー安全保障と造船技術の自立に向けた中国の取り組みが、新たなマイルストーンを迎えました。中国が初めて独自設計・建造した18万立方メートル級液化天然ガス(LNG)運搬船「Celsius Georgetown」が、4月26日に納入されました。これは中国の造船所が完成させた同種の船舶としては最大級の規模となります。
「Celsius Georgetown」の概要と特徴
このLNG船は、中国招商局重工(江蘇)が江蘇省・海門基地で建造し、デンマークの船主であるCelsius Shippingに引き渡されました。主な特徴は以下の通りです。
- 規模:容量は18万立方メートルで、中国国産LNG船としては最大です。
- 推進システム:デュアル燃料低速推進システムを搭載し、環境性能に配慮しています。
- 輸送能力:摂氏マイナス163度という極低温で液化天然ガスを運ぶことができます。
納入後、船はシンガポールへ向けて出港しました。この成功は、中国本土の重工業、特に高度な技術を必要とするガス運搬船の分野における設計・建造能力の著しい向上を物語っています。
技術的自立と国際市場での意義
LNG運搬船は、極低温の貨物を安全に輸送するために高度な断熱技術と特殊な材料が必要とされる、「航行する超巨大冷凍庫」とも呼ばれる複雑な船舶です。これまでこの分野では海外の技術に依存する部分も少なくありませんでした。
「Celsius Georgetown」の完成は、中国がこうした先端技術を自国で掌握し、国際的な発注主の厳しい要求にも応えられる品質を実証したことを意味します。グローバルなエネルギー輸送ネットワークにおいて、中国造船が担う役割が一段と大きくなっていることを示す事例と言えるでしょう。
エネルギー転換の中でのLNG船需要
世界的に石炭からよりクリーンな天然ガスへのエネルギー転換が進む中、LNGの海上輸送需要は堅調に推移しています。中国本土においても、大気汚染対策とエネルギー供給源の多様化の観点から、LNGの輸入は重要な課題です。
自国で大型LNG船を建造できる能力を確立することは、こうしたエネルギー輸入のサプライチェーンの安定化に寄与します。同時に、造船という基幹産業の高度化を通じて、関連する技術やサプライヤーの育成も期待されます。
今回の納入は、単に一艘の船が完成したという出来事を超えて、中国の製造業が価値連鎖の上位へと歩みを進めていることの証左です。国際分業の構造が変化する中で、技術立国を目指す動きの一環として注目されます。
Reference(s):
cgtn.com



