国連NPT会議で米イラン激突、核リスクの高まりに警鐘
核兵器の拡散防止を目指す国際的な枠組みをめぐり、国連の舞台で米国とイランが激しい応酬を繰り広げました。核戦力の近代化や地域での軍事行動も交えたこの対立は、世界の核リスク管理の難しさを浮き彫りにしています。
NPT会議での「副議長」任命が火種に
4月26日、ニューヨークの国連本部で「核拡散防止条約(NPT)」の第11回運用検討会議が開幕しました。この会議では、非同盟運動グループなどからイランが副議長の一人に指名されました。条約の履行状況を5年ごとに見直す重要な場でのこの人事を、米国代表は強く非難しました。
米国による「信頼を損なう行為」との非難
米国国務省の軍備管理・不拡散局次官補、クリストファー・ヨー氏は、「恥ずべきを超えた」この任命は条約自体への「侮辱」であり、会議の信頼性を損なうと述べました。ヨー氏は、イランが国際原子力機関(IAEA)との完全な協力を怠り、不拡散義務を軽視していることは「議論の余地がない」と主張し、イランが核不拡散問題で指導的役割を果たすことを「全面的に拒否する」としました。
イランの反論「政治的動機に基づくもの」
これに対し、イランのレザー・ナジャフィ国連大使は、米国の発言を「根拠がなく政治的動機に基づく」と一蹴しました。ナジャフィ氏は、「核兵器を使用した唯一の国であり、今も核戦力の拡大・近代化を続ける米国が、履行状況の判定者になろうとするのは弁解の余地がない」と反論しました。さらに、米国とイスラエルによるイランの平和的な核施設への軍事的行動は国際法違反であり、世界的な核不拡散体制への「直接の攻撃」だと非難しました。
グテレス国連事務総長、核リスクの高まりに警鐘
会議の開会演説で、アントニオ・グテレス国連事務総長は、軍備管理の枠組みが侵食され、核リスクが再び高まっていると警告しました。グテレス氏は、世界が核兵器の危険性に対する「集団的記憶喪失」に直面していると指摘し、すべての国が約束を守り、不拡散と軍縮が「平和への唯一の真の道」であることを強調しました。
展望:5月22日までの会議の行方
1970年に発効したNPTは、核兵器の拡散防止と軍縮促進の世界的取り組みの基盤です。現在進行中の運用検討会議は、5月22日まで開催される予定です。米国とイランという対立軸が露呈した今、残りの会期で実りある対話と合意形成が進むかが注目されます。核保有国と非保有国、そして地域の緊張関係が交錯する中、国際社会が共通の安全保障目標を見出せるのか、その舵取りが試されています。
Reference(s):
US, Iran clash at UN as Guterres warns of rising nuclear risks
cgtn.com



