IEA事務局長が警告、「史上最も深刻なエネルギー危機」が世界を直撃
国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は、世界がエネルギーと経済の両面で大きな試練に直面していると警告しました。2026年、現在進行中の危機は歴史的な規模に達していると指摘しています。
「史上最も深刻なエネルギー危機」
4月29日(現地時間)、パリで開催された第31回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP31)議長国とIEAによるハイレベル・エネルギー移行対話の中で、ビロル事務局長は「世界は史上最も深刻なエネルギー危機に直面している」と述べました。石油・ガス市場には深刻な混乱が生じる可能性があると、強い懸念を示しています。
加速が求められる「エネルギー移行」
同会合に出席したCOP31次期議長でトルコの環境・都市化・気候変動大臣、ムラト・クルム氏は、気候変動対策のためにも、「クリーンエネルギーへの移行を加速させなければならない」と訴えました。地球規模の経済がエネルギー構造を変革し、移行を急ぐことが最も重要なステップだと強調しています。
国連気候変動枠組条約事務局のサイモン・スティール事務局長は、「世界を化石燃料に依存させ続けようとする動きが、皮肉にも再生可能エネルギーの世界的な拡大を後押ししている」と指摘し、これを「巨大なアイロニー」と表現しました。
地政学リスクが市場を直撃
IEAが発表した最新の四半期ガス市場報告書によれば、中東情勢の緊迫化により、世界の天然ガス市場見通しは大きく変わりつつあります。米国とイスラエルによるイランへの軍事行動などに端を発する主要な供給ショックが、市場の根本を揺るがしている状況です。
原油先物価格も上昇を続けています。ドナルド・トランプ米大統領が、側近やエネルギー企業に対し、イランの港湾に対する長期封鎖への準備を指示したとの報道を受けて、市場は神経をとがらせています。4月29日午前10時(米東部時間)時点の6月渡し北海ブレント原油先物価格は、一時1バレル117.15ドルを記録し、前日比5.89ドル(5.29%)の高騰となりました。
2026年に入り、エネルギー安全保障と気候変動対策という二つの課題が交錯する中、世界経済は大きな岐路に立たされているといえるでしょう。国際的な協調と大胆な政策転換が、これまで以上に求められています。
Reference(s):
cgtn.com



