米イラン交渉に停滞か:相互譲歩が進まず、中東に再び緊張の兆し
米イラン間の和平交渉が、互いの要求する条件の大きな乖離から停滞しており、その影響で周辺国へのドローン攻撃などの緊張が高まっています。
平和への道に立ちはだかる「条件」の壁
イランの準政府系通信社メーフル(Mehr)の報道によると、テヘラン側が提示した最新の和平案に対し、米国側が「最大主義的(マキシマリスト)」な条件を突きつけ、具体的な譲歩を拒否したことが明らかになりました。
現在、両国はパキスタンを仲介役として交渉を続けていますが、信頼構築に向けたアプローチに根本的な差があるようです。
双方の求める「譲歩」の内容
イラン側は、本格的な交渉を開始するための前提条件として、以下のような「信頼構築措置」を求めています。
- レバノンを含むあらゆる戦線での戦争終結
- 経済制裁の解除と、凍結されたイラン資産の返還
- 戦争被害に対する賠償金の支払い
- ホルムズ海峡におけるイランの主権承認
これに対し、米国側は賠償金や資産返還を拒否。むしろ、イランが保有する約400kgの濃縮ウラン在庫をすべて米国に譲渡することや、核部門への長期的な制限を課すことを要求していると報じられています。また、戦闘の停止は交渉の開始と連動させるという姿勢を崩していません。
広がる緊張:UAEやサウジアラビアでのドローン事案
外交的な行き詰まりが続く中、中東地域では不安定な状況が続いています。4月8日に米イラン・イスラエル間で停戦が合意されて以降、大規模な衝突は抑えられてきましたが、周辺国ではドローンによるインフラ攻撃が発生しています。
直近では、アラブ首長国連邦(UAE)のバラカ原子力発電所の外周にある発電機にドローンが衝突し、火災が発生しました。UAE当局および国際原子力機関(IAEA)は、放射能漏れはなく安全であると発表していますが、原子力施設付近でのこうした事案は極めて危険なエスカレーションであると懸念されています。
同時に、サウジアラビアでも3機のドローンを撃墜したことが報告されており、イラク方面からの侵入が確認されています。ドナルド・トランプ米大統領は、和平への努力が停滞している現状を受け、イランに対し「迅速に」行動するよう警告を発しました。
不安定な均衡の中で
2月下旬から始まった激しい衝突を経て、4月には一時的な停戦に至りましたが、イスラマバードでの和平会談が成果を上げなかったことで、再び不透明な状況に戻っています。
対話による解決を模索しながらも、核問題や主権を巡る主張が平行線を辿る中、地域全体の緊張がどのようにコントロールされるのか、今後の動向が注視されます。
Reference(s):
US refusing to offer 'tangible' concessions, Iranian media reports
cgtn.com