2026年W杯開幕直前、ビザ問題がもたらす「入国の壁」とは? video poster
2026年FIFAワールドカップが数日後に迫り、世界中から選手やファンが開催地である米国、カナダ、メキシコへと集まり始めています。しかし、祭典への期待が高まる一方で、厳格な入国審査やビザ取得の問題が、一部の参加者にとって深刻な障壁となっている現実があります。
イラン代表を巡る緊張と解決
今回の大会で特に注目を集めたのが、イラン代表チームの入国問題です。米国とイランは、現在停戦状態にあるものの実質的な対立関係にあり、チームの入国が許可されるかどうかが大きな議論となっていました。
ビザの発給手続きに遅れが生じたため、イラン代表は当初予定していたアリゾナ州ツーソンでのトレーニング拠点を、米国とメキシコの国境にあるティフアナへ変更せざるを得ない状況に追い込まれていました。
しかし、先週の金曜日、チームメンバーにビザが交付されたことが分かり、ようやく米国への入国が認められました。これにより、ロサンゼルス近郊で行われる最初の2試合に向けて、メキシコの拠点から移動することが可能となりました。
「チケット=入国許可」ではない現実
多くのファンが忘れてはならないのが、ワールドカップのチケットを所有していることが、必ずしも開催国への入国を保証するわけではないという点です。入国には、それぞれの国の移民法に基づいた正規の手続きと、適切なビザまたは渡航認証の取得が不可欠です。
特に米国への入国に関しては、主に以下の手続きが求められます。
- ESTA(電子渡航認証):ビザ免除プログラム participating country(参加国)の渡航者が利用可能。
- B-1/B-2ビザ:観光や商用目的で入国するための訪問ビザ。
効率化への取り組みと残る不安
予想される膨大な需要に対応するため、FIFAと米国政府は「FIFA Priority Appointment Scheduling System (PASS)」という優先予約システムを導入しました。これにより、チケット保持者がより迅速にビザ面接の予約を取れるよう配慮されています。
しかし、このシステムはあくまで「予約を早めるもの」であり、ビザの承認そのものを保証するものではありません。実際、以下のような不安の声が上がっています。
- 一部の国でビザ申請が却下されたという報告がある。
- 一度承認されたESTAが突然取り消された事例がある。
- 一部のチーム関係者やサポーターの間で、認証手続きの遅延への懸念が広がっている。
スポーツという世界共通の言語で人々が繋がる祭典であっても、国境を越える際にはそれぞれの国の政治的状況や厳格な法的手続きという現実が横たわっています。誰もが平等にピッチ上の熱狂を共有できるのか、そのハードルの高さが改めて浮き彫りになっています。
Reference(s):
World Cup explainer: Could visa issues stop fans & players attending?
cgtn.com