膠着する米イラン関係、パキスタンが仲介へ:和平の鍵を握る「資産凍結」の壁 video poster
米イラン間で3ヶ月にわたって続いている紛争の終結に向け、パキスタンが外交的な橋渡しを試みています。しかし、和平への道筋は依然として不透明な状況です。
パキスタンからイラン最高指導者への「特別なメッセージ」
現地時間の日曜日、パキスタンのモフシン・ナクヴィ内務大臣がテヘランを訪れ、イランのアッバス・アラグチ外相と会談しました。この際、ナクヴィ大臣はイランの最高指導者アヤトラ・モジュタバ・ハメネイ師に対し、パキスタンのシェバズ・シャリフ首相およびアシム・ムニール陸軍参謀総長からの「特別な手紙」を届けました。
パキスタンはこれまで、ワシントンとテヘランの間で間接的な交渉を仲介する役割を担ってきました。その主な目的は、まずは戦闘を停止させ、核計画などの根本的な課題は後日の協議に回すという「暫定的な合意」を導き出すことにあります。
交渉を阻む「240億ドル」の壁
しかし、期待される合意への道は険しく、交渉は事実上の停滞状態にあります。両国間では断続的に小規模な衝突が続いており、和平に向けた決定的な突破口が見つかっていません。
交渉が難航している背景には、深刻な金銭的・政治的な対立があります。ハメネイ師の顧問であるモフセン・レザイー氏によれば、和平合意の条件として、凍結されている240億ドル(約3.7兆円)のイラン資産の解放が不可欠であるとしています。
米国側の視点と複雑な利害関係
一方で、米国側には異なる計算があります。関係者の話によると、スコット・ベセント米財務長官は、イランによる湾岸諸国の同盟国への損害額を算定するチームを組織したとされています。
- 資産の転用:凍結されたイラン資産をイランに返還するのではなく、被害を受けた湾岸諸国の復興費用に充てる方向で検討している。
- 外交的ジレンマ:資産の解放を求めるイランと、同盟国への補償を優先したい米国の間で、利害が真っ向から対立している。
単なる停戦合意だけでなく、経済的な補償と資産の行方という極めて現実的な問題が、外交的な解決を困難にしています。パキスタンによる今回の「特別なメッセージ」が、この膠着状態を打破するきっかけとなるのか、国際社会の注目が集まっています。
Reference(s):
Pakistani minister delivers 'special message' for Iran's supreme leader
cgtn.com
