洛陽の古代遺跡公園を彩る魚灯パレード 春節の夜にタイムスリップ
2025年の春節(旧正月)連休中、河南省洛陽市の隋唐洛陽城国家遺跡公園で行われた「魚灯(ぎょとう)パレード」が、多くの観光客を幻想的な光と歴史の世界へいざないました。唐代の衣装をまとったパフォーマーたちが巨大な魚形の灯籠を掲げて練り歩く姿は、国際ニュースや日本語ニュースでも紹介したくなる、印象的なシーンです。
春節の夜を彩る魚灯パレード
今回のパレードは、中国の春節(Chinese New Year)連休にあわせて行われました。会場となった隋唐洛陽城国家遺跡公園の園内では、唐代の雰囲気をまとった衣装のパフォーマーたちが、色とりどりの巨大な魚形の灯籠を手に行列をつくり、ゆっくりと歩みを進めました。
暗くなった遺跡公園の中で、魚のかたちをした灯籠のやわらかな光が連なり、訪れた人びとは足を止めて眺めたり、写真や動画を撮影したりしながら、その特別な時間を楽しんだとみられます。歴史空間そのものがステージとなることで、単なるイルミネーションとは違う、物語性のある光景が生まれていました。
武則天が即位した歴史の舞台で
この魚灯パレードが行われた隋唐洛陽城国家遺跡公園は、中国の歴史の中で特別な意味を持つ場所です。ここは、中国史上唯一の女性皇帝とされる武則天が即位した歴史的な舞台でもあります。
そのような場所で、唐代の衣装をまとった人びとが灯籠を掲げて歩く光景は、まるで時代をさかのぼったかのような「タイムスリップ体験」といえます。観光客にとっては、教科書やガイドブックで読んだ名前だけの人物や出来事が、視覚的な体験として立ち上がる瞬間でもあります。
古代遺跡とフェスティブな空気の組み合わせ
今回の魚灯パレードの特徴は、厳かな古代遺跡と、にぎやかな春節ムードが同じ空間で共存していることです。発掘・保存の対象である遺跡が、「保護すべき静かな場所」であると同時に、人びとが集まり楽しむ「にぎわいの場」としても機能している点が印象的です。
観光客にとっては、
- 歴史を感じる空間で歩きながら過ごせること
- 視覚的に華やかな魚形の灯籠を間近で見られること
- 写真や動画に収めやすい「映える」シーンが多いこと
といった要素が組み合わさり、単なる観光地巡りとは違う記憶に残る体験になったと考えられます。SNSで他の人に共有したくなるような場面が多いことも、現代の観光地としての強みといえるでしょう。
春節の過ごし方が映し出す変化
春節といえば、家族が集まり、自宅でゆっくり過ごすイメージが強い一方で、観光地やテーマ性のあるスポットで祝うスタイルを選ぶ人もいます。洛陽の魚灯パレードのように、歴史的な場所で祝祭的なイベントを楽しむ形は、「学び」と「レジャー」が一体になった過ごし方の一例といえそうです。
こうした取り組みは、
- 歴史や文化に対する興味を自然なかたちで高める
- 地域の観光資源の価値を再発見するきっかけになる
- 子どもから大人まで、世代を超えて共有できる体験を生む
といった点でも意味があります。観光客は楽しみながら歴史に触れ、地域側は文化と観光を両立させる場づくりを模索する。その交点に、今回のような魚灯パレードが位置していると見ることができます。
洛陽から考える、遺跡との付き合い方
洛陽の古代遺跡公園で行われた魚灯パレードは、私たちに「遺跡や歴史的な場所を、現代の暮らしの中でどう生かしていくか」という問いも投げかけています。
静かに眺めるだけでなく、一定のルールや配慮のもとで、そこで過ごし、楽しみ、記憶に残る時間を持つこと。その積み重ねが、歴史に対する身近さや愛着につながっていきます。武則天が即位した舞台が、21世紀の春節の夜に魚形の灯籠で彩られる——そのギャップを楽しみながら、歴史との新しい距離感を考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Fish lantern parade dazzles at ancient Luoyang archaeological site
cgtn.com








