インドネシアの若者が語るAPECの団結 鍵は「人と人のつながり」 video poster
アジア太平洋の国際ニュースとして注目された第32回APEC Economic Leaders' Meeting(APEC Leaders’ Meeting)が、2025年10月31日から11月1日にかけて韓国・慶州で開かれました。テーマは『Building a Sustainable Tomorrow – Connect, Innovate, Prosper(持続可能な明日を築く―つなぐ・革新する・繁栄する)』です。
首脳による議論と同時に、アジア太平洋の若者の声を集める動きも広がっています。中国国際テレビのCGTNはソーシャルキャンペーン『Act To Action』を立ち上げ、すべてのAPECメンバーエコノミーの若者に、グローバル・ガバナンスに関する自分たちの物語を共有するよう呼びかけています。
「人と人のつながり」が地域を一つに
このキャンペーンに参加した一人が、インドネシアのマネジメントコンサルタント、ナヴィラ・プトリ・アプリアニさんです。彼女は2022年にタイで開催された若者向けプログラム「APEC Voices of the Future」に参加した経験をもとに、APECメンバーエコノミーの人びとを近づける文化交流の力について語りました。
ナヴィラさんは、貿易や投資といった経済協力や首脳レベルの政治対話だけでは、アジア太平洋のつながりは十分ではないと考えています。異なる文化背景を持つ若者どうしが出会い、対話し、ともに行動する「人と人のつながり」こそが、この地域を本当に一つにする要素だと強調しました。
文化交流が生む3つの効果
ナヴィラさんの経験から見える、文化交流の意味を整理すると、次のようになります。
- 距離を縮める:言語や習慣が違っても、対面やオンラインで話し合うことで、相手を「遠い存在」から「顔の見える隣人」へと感じられるようになります。
- ステレオタイプを和らげる:ニュースやSNSだけでは見えない相手の社会の現実を、同世代の視点で知ることで、固定観念がほぐれていきます。
- 共通の課題に気づく:気候変動や雇用、不平等といったテーマは、多くのAPECメンバーエコノミーに共通する問題です。文化交流を通じて「自分たちは似た課題に向き合っている」と実感しやすくなります。
グローバル・ガバナンスに若者が関わるということ
CGTNの『Act To Action』キャンペーンは、こうした若者の実感を、グローバル・ガバナンス(地球規模の課題に対する国際的なルールや協力のあり方)という大きなテーマと結びつけようとする試みでもあります。APEC Leaders’ Meetingで話し合われる内容は、一見すると遠い世界の議題に見えますが、そこに暮らす人びと、とりわけ若い世代の日常生活にもつながっています。
ナヴィラさんのメッセージは、「政策」と「人間関係」の間に橋をかけることの重要性を示しています。首脳や閣僚が合意する文書だけでなく、キャンパスや職場、オンラインコミュニティで交わされる一つひとつの対話も、アジア太平洋の未来を形づくる一部だという視点です。
日本の読者への小さなヒント
アジア太平洋とのつながりを身近に感じたい日本の読者にとっても、「人と人のつながり」という視点はヒントになります。大きな国際会議に参加しなくても、例えば次のような関わり方が考えられます。
- APECメンバーエコノミー出身の留学生や同僚との対話を少し増やしてみる
- オンラインイベントやSNSを通じて、他地域の若者の声に耳を傾ける
- ニュースを読むとき、政策だけでなく、その背後にいる人びとの生活を想像してみる
先月のAPEC Leaders’ Meetingと、それに合わせた若者の声の発信は、アジア太平洋の「一体感」をつくるのは必ずしも首脳だけではないことを思い出させてくれます。離れた場所にいても、誰かとつながろうとする小さなアクションが、持続可能な明日への第一歩になるのかもしれません。
Reference(s):
Indonesian youth believes human connection builds Asia-Pacific unity
cgtn.com








