中国、2026年も「人中心」の新型都市化を推進 農村からの移住と都市更新を加速
中国本土では2026年も、「人中心(people-centered)」を掲げる新型都市化を進める方針です。3月5日(木)、全国人民代表大会(全人代)第14期の第4回会議で政府活動報告を行った中国首相の李強氏が、農村から都市へ移る人々の定住支援や、都市の更新・安全対策を一体で進める考えを示しました。
今回の発表で何が示されたのか
李氏は、都市へ移住する農村出身者に対して「恒久的な都市戸籍(永住に相当する都市居住資格)」を付与するための、体系的で整合的な措置を講じると述べました。生活の場が都市へ移った人々が、教育や公共サービスにアクセスしやすい仕組みを整えることが軸になります。
注目ポイント1:農村出身の移住者に「恒久的な都市居住」を進める
報告では、農村から都市へ移った人々に対し、恒久的な都市居住資格を認めるための施策を進めるとしています。都市化を「人口の移動」だけで終わらせず、暮らしの基盤を都市側で受け止める発想が前面に出ています。
注目ポイント2:出稼ぎ労働者の子どもの教育機会を広げる
地域の実情に応じて、条件(資格基準)を緩和し、農村から都市へ移った労働者の子どもが、現在住んでいる場所で高校入試を受けやすくする方針も示されました。居住地と教育制度のズレを小さくする狙いが読み取れます。
注目ポイント3:「都市居住資格の認可数」と財政・土地・投資を連動
今回の報告で特徴的なのは、制度設計の“つなぎ方”です。李氏は、次の政策連動を引き続き改善すると述べました。
- 移転支出(財政移転)
- 新たに建設用地に指定できる土地の枠(クオータ)
- インフラ投資
これらを、地方政府が認めた都市居住資格の認可数と結び付ける政策を洗練させるとしています。都市化の進展と行政・財政の手当てを同じ方向へ揃える仕組みとして注目されます。
県レベルの基盤整備と「特色ある産業」で地域経済を底上げ
都市だけでなく、県(カウンティ)レベルでもインフラ計画や公共資源の配分を改善し、地域の特色ある産業を育てて県域経済の質の高い発展を促す方針が示されました。都市への集中だけでなく、地域単位での成長の形も同時に描こうとする構図です。
都市の潜在力を引き出す:老朽住宅団地と「都市の村」の改修へ
李氏は、都市の潜在力を引き出し、現代的な都市システムを整えるとともに、高品質な都市更新を進めると述べました。具体的には、次を着実に進めるとしています。
- 古い都市住宅団地の段階的な改修
- 都市の村(都市部の集落的地区)の改修
また、遊休地や、空き家・未利用のインフラをより良く活用する考えも示されました。新規開発一辺倒ではなく、既存ストックの活用を視野に入れた都市運営へ比重が移っていることがうかがえます。
安全面:都市インフラの「ライフライン」と高層建築の防災
都市機能の高度化と同時に、安全対策も押し出されました。李氏は、都市インフラのライフライン(生活を支える基幹設備)の安全確保に向けたプロジェクトを強化するとし、さらに高層建築物の火災予防と救助能力の向上にも言及しました。
「産業・ビジネス志向のコミュニティ」とスマートな都市ガバナンス
報告の締めくくりでは、産業志向・ビジネス志向の新しいタイプのコミュニティを発展させ、都市ガバナンスをよりスマートで緻密にし、人中心の現代都市を築くと述べました。都市の“箱”を大きくするだけでなく、住民の暮らしや公共サービス、災害対応、運営の細部まで含めて再設計していく方向性が示された形です。
きょう示された2026年の都市化方針は、移住者の定住、教育、財政・土地・投資の連動、都市更新、安全対策、スマートな治理(ガバナンス)までを一つの流れに束ねる内容でした。今後、地方ごとの運用や制度の具体化がどのように進むのかが焦点になりそうです。
Reference(s):
China to continue promoting people-centered new urbanization
cgtn.com








