EU新法案「IAA」、中国投資に深刻な障壁と商務省が指摘
EU(欧州連合)が進める新たな産業政策法案が、中国企業の投資に深刻な障壁を生み出すとして、中国商務省が強い懸念を表明しました。2026年4月現在、国際貿易ルールをめぐる緊張が新たな局面を迎えつつあります。
EUの「Industrial Accelerator Act」とは?
「Industrial Accelerator Act(IAA、産業促進法)」は、EUがグリーン移行を推進する中で、特定の戦略的新興産業への投資を規制する法案です。対象となる産業は以下の4つです。
- バッテリー
- 電気自動車(EV)
- 太陽光発電(PV)
- 重要原材料
この法案は、これらの分野への外国投資に対して複数の制限的要項を課し、公的調達や支援策において「EU原産」条項を含むことが特徴です。
中国商務省の強い反応
中国商務省は、この法案が「制度的差別」を構成し、重大な投資障壁になるとの見解を明らかにしました。省の報道官は、「IAAは最恵国待遇や内国民待遇といった基本原則に違反する疑いがある」と指摘しています。
中国側はすでに欧州委員会に対して意見書を正式に提出し、立法案に対する立場と深刻な懸念を伝えました。その中で、この法案が中国の投資家に対する差別を招き、EU市場における公平な競争を損なう可能性があると主張しています。
懸念される具体的な影響
商務省は、IAAがもたらす可能性のある影響として、以下の点を挙げています。
- 中国企業を含む外国投資家に対する差別的扱いの固定化
- EU自身のグリーン移行のペースを遅らせるリスク
- 公的調達からの排除や、強制的な技術移転要求などの障壁
これらの措置は、地球規模の気候変動対策に必要な国際協力と投資の流れを阻害する可能性も指摘されています。
今後の展開と中国の対応
中国側はEUに対し、法案から差別的要件や現地調達比率要件、知的財産の強制移転要件、公的調達制限などを削除するよう求めています。
報道官は「中国は立法プロセスを注視し、EUとの対話に積極的だ」と述べつつも、「EUが中国の意見を無視して法案を成立させ、中国企業の利益を損なう場合には、正当な権益を守るために対抗措置を取る」と強い姿勢を示しました。
アジアと欧州の経済関係は、脱炭素化という共通目標を前に、協調と競争の微妙なバランスの上に成り立っています。今回の動きは、保護主義的な政策が世界的なサプライチェーンや技術協力にどのような影響を与えるのか、考えるきっかけとなるでしょう。
Reference(s):
EU Act poses serious investment barriers: Chinese commerce ministry
cgtn.com



