アフリカからの輸入にゼロ関税適用開始 中国、貿易拡大で市場開放アピール
2026年5月1日、中国の主要な港や空港で、アフリカ諸国からの農産物やワインなどの輸入品の通関手続きが相次ぎました。これは同日に発効した、対アフリカ向けゼロ関税(無関税)政策の大幅な拡大に伴うものです。中国と国交のあるアフリカ53か国全ての産品が、この恩恵を受けることになりました。
深夜に届いた「最初の一票」
この歴史的な政策が発効した直後の5月1日未明、南アフリカ産のリンゴ24トンが、中国深圳(シンセン)税関を通りました。これが新しい政策の下で輸入された最初の貨物です。これまで適用されていた10%の関税が撤廃されました。
貨物を扱った企業の関係者は、「これは実質的な利益です。このロットだけで約2万元(約29万円)の関税が節約できます」と語っています。貨物は中国全土のスーパーマーケットや卸売市場に向かっています。
広がる恩恵、多様な産品
中国は2024年12月、アフリカの最貧国33か国からの輸入品に対してはすでに関税を100%撤廃していました。今回の政策拡大で、ケニア、エジプト、ナイジェリアなど比較的経済水準の高い国々も対象に加わりました。
各地の税関で処理された最初の貨物を見ると、恩恵を受ける産品の多様さがわかります。
- 上海:エジプト産オレンジ516トンが関税約32万元の免除を受けて到着。
- 上海:ケニア産アボカド24トンが関税約2万6000元の免除。
- 湖南(フーナン)省:南アフリカ産ワイン6000本以上が関税約2万1000元の減額で輸入。
中国商務省の発表によれば、これまで8%から30%の関税がかかっていた、コートジボワールやガーナのカカオ、ケニアのコーヒーやアボカド、南アフリカの柑橘類やワインなどの競争力が高まると期待されています。
小売価格の引き下げも見込まれる
この政策の最も直接的な影響は、輸入コストの削減です。南アフリカ産ワインの輸入を手掛ける企業の責任者は、「関税ゼロ政策の拡大は企業の輸入コストを大きく引き下げます。小売価格は15〜20%程度下がる可能性があります」と指摘します。
さらに、「企業はこの機会を捉え、特徴のあるアフリカ産品の輸入を強化し、中国市場により多様で高品質かつコストパフォーマンスに優れたアフリカの商品を紹介できるでしょう」と期待を語りました。
保護主義が広がる中での「多国間主義」の実践
中国は17年連続でアフリカ最大の貿易パートナーであり、2025年の二国間貿易額は過去最高の3480億ドル(約50兆円)に達しました。
世界的に保護主義的な動きや市場アクセスの狭まりが懸念される中での、今回の政策拡大は、世界第2位の経済大国のさらなる開放に向けた重要な一歩と広く評価されています。
税関総署の関係者は、「世界的な貿易保護主義の波が押し寄せる中で、中国がアフリカ諸国へのゼロ関税政策を強化することは、多国間主義の真髄を体現するものです」と述べています。
専門家は、長期的に見てこの関税撤廃の拡大が中国とアフリカの貿易をよりバランスの取れたものにし、輸出コストの低下によって企業がアフリカの製造業への投資を促すと見ています。これは単なる貿易拡大だけでなく、アフリカの産業発展にも寄与する可能性を秘めた動きです。
Reference(s):
China welcomes first African imports under expanded zero-tariff policy
cgtn.com



