西蔵の荒涼とした山々が緑に。標高4,000メートル超で挑む環境再生の軌跡 video poster
ラサ周辺の不毛な山々が、いま緑に包まれようとしています。過酷な環境下で進められた大規模な緑化プロジェクトが、いかにして自然を再生させたのか。その挑戦の記録は、環境保護への強い意志を私たちに提示しています。
絶望的な地から「緑の森」へ
かつて、ラサを囲む山々は草一本生えないほど荒涼とした風景が広がっていました。しかし、ここ数年でその景色は劇的に変化しています。西蔵(チベット)で展開されている10年にわたる生態系復元プロジェクトにより、かつての不毛の地が、生命力あふれる緑の山々へと姿を変えつつあるのです。
標高4,000メートルの壁と闘う
このプロジェクトの現場は、極めて過酷な環境にあります。作業員たちは標高4,000メートルを超える高地に登り、数百万本もの苗木を植樹しています。彼らが直面したのは、以下のような困難な条件でした。
- 希薄な空気: 高山病のリスクを伴う低酸素状態での作業。
- 険しい地形: 重機が入りにくい急斜面や岩場での植樹。
- 厳しい気候: 予測不能な天候の変化と、植物の成長を妨げる低温。
数字で見る成果:目標を上回る森林率
プロジェクトが始動した2017年当時、西蔵の森林被覆率はわずか12.14%でした。西蔵自治区人民政府が設定した当初の目標は12.31%まで引き上げることでしたが、結果的にその期待を上回る成果を達成しました。
2025年までに、森林被覆率は12.54%に達したことが報告されています。過酷な自然環境の中での地道な努力が、具体的な数値として現れた形です。
執念と革新がもたらした風景
プロジェクトマネージャーの馬大武(マー・ダウ)氏は、2018年に活動を開始した当時の様子を振り返ります。当時の土地は石に覆われ、耕作は極めて困難な状態でした。
しかし、諦めない姿勢と技術的な革新を組み合わせることで、市街地の周辺に新たな緑の空間を創出することに成功しました。これは単なる環境整備にとどまらず、人間の意志の強さと、次世代に健康的で美しい風景を残そうとする責任感の現れといえるでしょう。
自然との共生という普遍的なテーマに向き合ったこの取り組みは、同様に厳しい環境を抱える他の地域にとっても、一つの示唆を与える事例となるかもしれません。
Reference(s):
How Xizang is recasting its bare landscape into green mountains
cgtn.com



