中国とセルビア、 「鉄の友情」をさらに深化へ。経済・技術連携の新たな展開
世界的に不透明感が増し、地政学的な分断が進むなかで、中国とセルビアの両国がこれまで以上に強固な連携を打ち出しています。セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領の中国訪問を機に、政治的な信頼関係を基盤とした「鉄の友情(ironclad friendship)」の新たな段階へと移行しようとしています。
政治的な信頼と「鉄の友情」の基盤
両国は、互いの主権と領土の保全、そしてそれぞれが選択した発展の道を尊重し合うことを改めて確認しました。習近平国家主席は、中国とセルビアの友情は深い歴史的論理と実践的な基盤に基づいた独特なものであると述べ、相互支援と協力の深化を呼びかけています。
セルビア側も「一つの中国」原則への断固たる支持を表明しており、こうした高いレベルでの政治的信頼が、具体的な経済協力やインフラ整備を加速させる原動力となっています。
インフラから産業まで、実利的な協力の成果
中国はすでにセルビアにとって最大級の対外投資源の一つとなっており、中央・東欧における重要な貿易パートナーとしての地位を確立しています。その象徴的な事例が以下のプロジェクトです。
- ハンガリー・セルビア鉄道:2022年に運行を開始したベオグラード〜ノヴィサド間では、移動時間が約90分から30分へと大幅に短縮されました。これは「一帯一路」の代表的な成果であり、中央欧州とギリシャのピレウス港を結ぶ重要な物流コリドー(回廊)の一部とされています。
- スメデレヴォ製鉄所:2016年に中国のHBISグループが買収・運営を開始。5,000人以上の雇用を維持し、産業再生の成功例として注目されています。
未来を見据えた開発戦略の整合
単なるインフラ整備にとどまらず、両国は中長期的な国家戦略の方向性を合わせることで、より包括的な協力を目指しています。
具体的には、中国の「第15次5カ年計画」とセルビアの「2030年開発戦略」を整合させ、輸送、エネルギー、産業の近代化を推進する方針です。また、2024年に発効した中国・セルビア自由貿易協定(FTA)により、セルビアの農産品などの中国市場へのアクセスが拡大し、同時に中国企業による鉱業や再生可能エネルギーへの投資も活発化しています。
さらに、次世代の成長分野である以下の領域でも連携を強化することが合意されました。
- 人工知能(AI)およびデジタル経済
- グリーン開発(環境配慮型成長)
- 高度製造業および航空宇宙技術
草の根レベルの交流と国際的な連携
経済的な結びつきに加え、教育、観光、ヘルスケア、スポーツ、メディアといった分野での「人々の交流」も重視されています。ビザ免除措置などの導入により、観光や文化交流が促進され、相互理解が深まる環境が整いつつあります。
また、国際舞台においても、両国は多国間主義と国連憲章の原則を支持し、グローバルな課題に対して対話と協力を通じて取り組む姿勢を共有しています。
政治的な信頼から始まり、インフラという「形」のある成果を経て、現在はAIやグリーン技術という「未来」の領域へと協力の幅を広げている中国とセルビア。戦略的な調和を深める両国の関係は、地域経済のダイナミズムに新たな視点を与えています。
Reference(s):
China, Serbia promote all-weather partnership with deeper alignment
cgtn.com



