中国の新型ロケット「長征12B」初飛行成功:デジタル設計がもたらした驚異の開発スピード video poster
中国本土で開発された新型キャリアロケット「長征12B」が、今週月曜日に初飛行に成功しました。この成功は、大規模な商業宇宙ミッションや低軌道衛星コンステレーション(衛星群)の構築を加速させる重要なステップとなります。
わずか21ヶ月で完成:デジタル設計が変えた開発サイクル
長征12Bの最大の特徴の一つは、その圧倒的な開発スピードにあります。設計段階から最終製品の開発まで、わずか21ヶ月という期間で完了させました。これは中国の新型ロケット開発において過去最短の記録です。
この短期間での開発を可能にしたのは、最新のデジタル設計テクノロジーの導入です。
- 独自シミュレーションプラットフォーム:設計、分析から仮想検証までを統合したプラットフォームをゼロから構築。
- 効率的な反復設計:エンジニア間の緊密な連携と、仮想空間での検証を繰り返すことで、設計の修正サイクルを大幅に短縮しました。
機体は高さ72メートル、直径4.37メートルに及び、現在、初打ち上げに成功した中国の新型ロケットとしては最大規模を誇ります。
運用の効率化を追求した「水平」アプローチ
長征12Bでは、打ち上げ効率を高め、より高い頻度での運用を実現するために「3つの水平(three-horizontal)」モデルが採用されています。
- 水平組立:機体を横にした状態で組み立てる。
- 水平試験:地上でのテストを水平状態で行う。
- 水平輸送:そのまま射点まで輸送し、最後に起立させて燃料を充填し、打ち上げる。
これにより、複雑な準備の多くを技術エリアで完了させることができ、射点での作業時間を削減することが可能です。また、推進剤には液体酸素とケロシンの組み合わせを採用しており、常温保存が可能なため、燃料補給の手順を簡素化し、運用コストを抑える設計となっています。
低軌道衛星ネットワークと将来の再利用へ
このロケットの主目的は、中国本土が進める低軌道インターネット衛星コンステレーション計画の支援です。20トンクラスのペイロード(積載量)能力を持ち、一度のミッションで最大36基の衛星を単一の軌道面に投入できる能力を備えています。
さらに、エンジニアは将来的な「再利用」も見据えた設計を行っています。現時点では回収・再利用技術はまだ開発段階にありますが、第1段目のアーキテクチャは、将来的に再利用可能な運用に移行できるよう計画的に設計されています。
まずは衛星ネットワークの迅速な構築という喫緊の課題に取り組みつつ、将来的には経済的に持続可能なロケット回収技術の確立という、さらなる高みを目指していることが伺えます。
Reference(s):
cgtn.com



