中国、EUに「客観的な経済関係」を要望。貿易保護主義への懸念と企業の現実的な動向
EU(欧州連合)による新たな貿易制限の導入が検討される中、中国政府が二国間の経済関係を客観的かつ理性的に捉えるよう改めて訴えました。政治的な「リスク軽減」という戦略と、ビジネスの現場で起きている「投資拡大」という現実との間に、どのような乖離があるのかが見えてきます。
貿易保護主義への懸念と「客観的視点」の必要性
中国外務省の毛寧報道官は、今週木曜日の定例記者会見において、中国とEUの経済・貿易関係を客観的かつ理性的な視点で見るようEU側に促しました。毛報道官は、貿易保護主義は経済原則に反するものであり、結果としてどちらの側にとっても利益にならないと指摘しています。
今回の発言の背景には、EUが今月中旬に中国を対象とした新たな貿易制限を導入する可能性があるという見方が広がっていることがあります。中国側は、双方が相違点を減らし、協力を拡大することで、互いに利益を得られる成果を達成することを期待しています。
数字が示す強固な経済的結びつき
毛報道官は、政治的な緊張感とは対照的に、過去50年間で積み上げられてきた経済的な実績を具体的な数字で強調しました。
- 貿易額の増大: 年間の貿易額は50年で300倍以上に成長
- 投資規模: 双方向の投資額は2,600億ドル(約40兆円規模)に接近
これらの数字は、中国とEUの協力関係が非常に強い勢いを持っており、今後の展望も広いことを示していると述べています。
「リスク」か「補完」か:企業の視点から見る現実
現在、EUは中国への依存度を下げる「デリスキング(リスク軽減)」戦略を推進しています。しかし、実際の経済活動に従事する企業の視点は必ずしもそれに沿っているわけではありません。
欧州中国商会による最近の調査では、以下のような傾向が明らかになっています。
- 欧州企業の68%が、中国での事業を「維持」または「拡大」する計画である
- 約3分の1の企業が、中国市場での「現地化」をさらに深める意向を持っている
毛報道官は、「補完性はリスクではなく、絡み合った利益は脅威ではない」と指摘。多くの欧州企業が中国での存在感を深め、投資を拡大しているという事実こそが、「デリスキング」という言説に対する最も強力な回答であると主張しました。
経済的な合理性と政治的な戦略の間で揺れる中、企業が求める「市場の安定」と、政府が追求する「安全保障」をどのように両立させるのか。今後のEUの判断が注目されます。
Reference(s):
China urges EU to view bilateral economic ties objectively, rationally
cgtn.com



