あなたの視力、気づかぬうちに変わっていませんか?中国本土の「全国愛眼日」に考える現代人の目の健康 video poster
今日、6月6日は中国本土で「全国愛眼日」にあたります。この日は、人々の目の健康に対する意識を高め、視覚に関連する疾患を予防することを目的とした年次のキャンペーン日です。デジタルデバイスが生活に不可欠となった今、視力低下は世界共通の課題となっており、あらゆる世代において目のケアの重要性が改めて叫ばれています。
世界的に広がる視力低下の現状
世界保健機関(WHO)のデータによると、世界中で少なくとも22億人が近視や遠視などの視覚障害を抱えています。さらに深刻なのは、そのうち少なくとも10億件のケースが、適切な処置や予防によって防げたはずであるか、あるいは未治療のままであるという点です。視力の低下は、単に「見えにくくなる」だけでなく、生活の質や学習・仕事の効率に直接的な影響を及ぼします。
世代ごとに異なる「目のリスク」
上海通用医院の副院長であり、上海眼病予防治療センターのセンター長を務める鄒海東(ゾウ・ハイドン)氏は、年齢層によって直面している課題が異なると指摘しています。
- 18歳未満の子供・青少年: 最も大きな懸念は「近視」の増加です。
- 現役世代の大人: 長時間のスクリーン使用による「眼精疲労」が一般的になっています。また、従来は高齢者の悩みだった「老眼(老視)」が、最近では30代の人々にも現れ始めています。
- 60歳以上の高齢層: 中国本土において、白内障が失明の主な原因となっています。
東アジアにおける近視の背景と傾向
なぜ、これほどまでに近視が増えているのでしょうか。鄒氏は、遺伝的要因と環境的要因の両方が影響していると述べています。特に東アジアの人々は、欧米の人々と比べて近視に関連する遺伝的傾向が高いことが知られています。
それに加えて、現代的なライフスタイルの変化が拍車をかけています。スマートフォンの利用時間増加、屋外活動の減少、不規則な食事や睡眠不足といった環境要因が、視力低下を加速させていると考えられます。
中国本土では2018年から学生の近視率を毎年モニタリングしており、2022年時点では約51.9%でした。その後、年々1〜2ポイントずつ緩やかに低下していますが、依然として大きな課題です。なお、この近視率は日本や韓国よりもわずかに低い水準にあります。
「屋外活動」がもたらす保護効果
近視のリスクを軽減するために特に有効であると証明されているのが、「屋外での活動」です。研究によれば、屋外の光量(約2,000ルクス程度)の下で、一度に少なくとも15分間過ごすことが、近視の進行を防ぐための意味のある保護効果をもたらすとされています。
社会全体で取り組む予防システム
一度近視が始まってしまうと、その進行を完全に止める治療法は今のところ存在しません。そのため、鄒氏は「発症前の予防」こそが最も効果的な戦略であると強調します。
中国本土では、教育、保健、スポーツの各当局が連携した多角的なアプローチを導入しています。例えば上海市などの都市部では、以下のような「クローズドループ(完結型)」の管理システムが構築されています。
- 学校でのスクリーニング: 定期的な視力検査を実施。
- 地域病院での診断: 異常が見つかった場合、速やかに診断へ。
- 専門医療機関への紹介: 必要に応じて高度な治療を行う医療機関へリファーする。
このように、個人の努力だけでなく、社会的な仕組みとして目の健康を守る取り組みが進んでいます。
Reference(s):
cgtn.com



