メルツ独首相、中国本土の効率を評価 EUに「規制の一掃」迫る
ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が2026年2月11日(現地時間)、ベルギー・アントワープでの欧州産業サミットで、中国本土の「成長と効率」を引き合いに、EUに大規模な規制緩和(デレギュレーション)を急ぐよう求めました。欧州が景気の勢いを取り戻せるかが、いま「主権(自立性)」の議論とも結びついています。
「経済的に強い欧州だけが、主権ある欧州」
メルツ首相は、EUの指導者が直面している現実として「経済的に強い欧州だけが、主権ある欧州だ」と強調。行動のスピードと決断の重要性を訴えました。
また、EUと米国の成長の差が広がり、中国が追い上げているとの認識も示しています。
20年平均の成長率を提示:「差を今すぐ埋める」
首相は数値にも言及し、過去20年の平均として、
- 中国:年約8%
- 米国:年約2%
- EU:平均で年約1%
と述べた上で、「このギャップを埋めなければならない。いま埋める必要がある」と危機感をにじませました。
太陽光の例で示した「許認可の遅さ」
規制の具体例としてメルツ首相が持ち出したのが、太陽光発電プロジェクトです。中国本土では世界最大級の太陽光発電所が数カ月で建設された一方、EUでは承認に数年かかることがあると述べ、過剰な規制が投資魅力を下げ、成長の足かせになっているという見方を示しました。
目玉提案:期限内に処理されない案件は「自動承認」
首相は許認可プロセスの「基本原則」として、申請が数週間〜数カ月のうちに処理されない場合は、原則として自動的に承認されたとみなす仕組みを提案しました。
「企業や市民が行政や政府に期待していることだ。これは彼らの権利でもある」と述べ、会場から拍手が起きたとされています。
「規制のクリーンスレート」——小手先ではなく総点検へ
メルツ首相は、個別の法改正(小さな修正)では十分ではないとして、EU法体系を体系的に見直す「regulatory clean slate(規制のクリーンスレート/一旦白紙にして点検)」を呼びかけました。対象は特定分野に限らず、「あらゆるセクターでの規制緩和」を掲げています。
ベルギーで2日間協議へ:競争力と単一市場が議題に
今回の発言は、EU指導者27人がベルギーで2日間にわたり競争力強化を議論する流れの中で出てきました。11日はアントワープで協議が行われ、12日にはブリュッセル東方の城で、国際競争を見据えた欧州単一市場の強化などを含む複数テーマを話し合う予定とされています。
規制緩和は「速さ」と「納得」をどう両立させるか
メルツ首相の問題提起は、投資やプロジェクト実行の「時間」を競争力の中核に置いた点で分かりやすい一方、許認可の迅速化を進めるほど、手続きの透明性や関係者の合意形成をどう担保するかも同時に問われます。
欧州が次の一手として、スピード重視の制度設計に踏み込むのか。それとも、現行の枠組みを維持しつつ運用改善で応えるのか。ベルギーでの協議は、その方向感を占う場になりそうです。
Reference(s):
Germany's Merz hails China's efficiency, urges EU to cut red tape
cgtn.com








