IMO、中東海域での船舶攻撃急増に非難声明 緊張緩和と航行の自由回復を訴え
国際海事機関(IMO)のアルセニオ・ドミンゲス事務局長は2026年4月23日、中東海域における船舶への攻撃が急増している現状を「極めて不安定」と表現し、直ちにこうした「無謀な行為」を止めるよう呼びかけました。船員の生命と国際海上貿易の安全が危機にさらされている現状で、緊張緩和が唯一の解決策だと訴えています。
急増する攻撃、犠牲になる船員たち
IMOによれば、4月22日時点で、同地域における船舶への攻撃事案は少なくとも26件が確認されており、その結果10名の船員が死亡しています。ドミンゲス事務局長は声明の中で、「商業船への攻撃や拿捕は到底容認できません」と強調しました。また、およそ7週間にわたり、約2万人の船員が自宅への帰還の目処が立たないまま取り残されているという深刻な状況も明らかにしました。
ホルムズ海峡周辺で高まるリスク
特に緊張が高まっているのが、世界の石油供給の大動脈であるホルムズ海峡です。この地域での緊張は、米国が4月13日にイランの港湾への出入りする船舶に対する封鎖を宣言して以降、顕著になっています。先週末には、米軍がイラン籍の貨物船に向けて発砲し、船体を制圧したと発表。また、4月23日にはイラン側メディアが、イラン革命防衛隊が無許可でホルムズ海峡通過を試みた2隻の船舶を拿捕したと報じるなど、両国の対立が海上で先鋭化しています。
「なぜ危険な海域に船を出すのか」
ドミンゲス事務局長は、こうした高リスク海域で操業を続ける海運会社の判断にも疑問を呈しました。「なぜ企業は危険を冒し、船員の命を危険にさらすのか理解できません」と述べ、海運業界全体がリスク管理を徹底する必要性を指摘しています。IMOは、ホルムズ海峡周辺を航行する船舶に対し、最大限の警戒を維持するよう改めて呼びかけています。
求められる「緊張緩和」と「具体的行動」
声明の結びで、ドミンゲス事務局長は「緊張緩和、意味のある行動、そして航行の自由の回復こそが唯一の前進の道です」と締めくくりました。攻撃の対象となる船には、様々な国籍の船員が乗り組み、貨物も国際貿易を支える多様な物資です。特定の海域の安全が損なわれることは、グローバルサプライチェーンの混乱を招き、世界経済全体に波及する影響は計り知れません。
中東の海上交通路の安全は、石油に依存する国々だけでなく、あらゆるものが海を渡って届けられる現代社会全体の課題と言えるでしょう。国際機関の強い警告は、この問題が単なる地域紛争を超えた緊急性を持つことを示しています。
Reference(s):
IMO urges de-escalation as attacks on shipping intensify in Mideast
cgtn.com




