イラン、戦争終結へ「三段階計画」を提示 ホルムズ海峡緊張で国際経済に影響
イランが戦争終結に向けた具体的な条件と段階的な計画を提示し、緊張が続くホルムズ海峡を巡る動きが世界経済に影響を与えています。
外交ルートを通じた和平提案
イラン外務省のセイエド・アッバース・アラグチ次官は最近、オマーンを経由してパキスタンのイスラマバードを訪問しました。現地の情報によれば、アラグチ氏は米国に対し、イランの「レッドライン」を明記した書面によるメッセージを伝達するとともに、戦争終結に向けた三段階の提案を行ったとされています。
提案の具体的な内容
提案は次の三つの段階からなります。
- 第一段階(停戦と安全保障): 敵対行為の完全な停止と、イランおよびレバノンへの新たな攻撃を防ぐための拘束力のある保証。
- 第二段階(ホルムズ海峡管理): 世界の石油輸送の要所であるホルムズ海峡の管理と安全保障に関する協議。
- 第三段階(核問題協議): イランの核計画に関する議論。ただし、テヘランは以前の段階で進展がない限り、核問題の協議には応じない姿勢を示しています。
アラグチ氏はこの後、ロシアを訪問し地域外交ツアーを終える見通しです。
米国側の反応と隔たり
一方、米国のドナルド・トランプ大統領はフォックス・ニュースのインタビューで、パキスタンへの代表団派遣計画をキャンセルしたことを明らかにし、「時間の無駄だ」と述べました。トランプ氏は「話したいなら彼らがこちらに来るか、電話をかけてくるべきだ」とし、イランが核兵器を開発しないことが協議の前提であると繰り返しました。
イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は声明を通じ、米国が圧力を強めながら同時に交渉を求める姿勢は信頼を損ない、外交に必要な環境を乱すと批判しています。
ホルムズ海峡を巡る緊張と経済的影響
現在、ホルムズ海峡周辺の緊張は高まっており、世界経済への影響が懸念されています。航路の混乱により海峡を通る船舶交通は激減し、国際的な原油価格を押し上げ、すでに脆弱な世界経済にさらなる負荷をかけています。
トランプ大統領は最近、英国のキア・スターマー首相と電話会談を行い、この重要な航路における海上交通の早期回復が「緊急の課題」であると強調しました。スターマー首相は、何週間にもわたる混乱により多くの船員が湾岸地域に足止めされていると指摘し、封鎖が長期化すれば世界経済に「深刻な結果」をもたらし、英国での生活コストを押し上げかねないと警告しました。
イラン側はより強硬な姿勢を示しています。議会の国家安全保障・外交政策委員会のエブラヒム・アジジ委員長は、海峡を通過する船舶に通行料の支払いを義務付ける方針を表明し、この水路がイランの戦略的影響力の重要な支柱であると述べています。
背景と今後の展開
今年2月末、イスラエルと米国によるテヘランなどへの共同攻撃があり、当時の最高指導者を含む要人や市民が死亡しました。イランはこれに対し、イスラエルや中東地域の米国資産を標的とするミサイルやドローン攻撃で応答し、同時にホルムズ海峡の支配を強化しました。
4月8日に宣言された停戦の後、4月11日から12日にかけてイスラマバードで米イラン協議が行われましたが、交渉は最終的に決裂に終わりました。その後、米国は海峡を経由するイラン港への往来に影響を与える封鎖措置を課しています。
戦略的要衝をめぐる大国の駆け引きと、和平への道筋が見えない現状。その影響はエネルギー価格を通じて、遠く離れた私たちの生活にも静かに及び始めています。
Reference(s):
Iran outlines phased plan to end war as Hormuz tensions mount
cgtn.com



