モノより「感情価値」:中国で広がる経験経済の波 video poster
「最も価値のある買い物」が、モノではなく「体験」である時代がやってきました。北京の陶芸スタジオから開封の没入型ロールプレイストリート、横店の映画セットアドベンチャーまで、所有より感情を重視する新しい消費の波が中国本土を覆っています。
感情を売るビジネスの台頭
近年、特に若い世代の間で、「感情価値」を優先する消費行動が目立つようになっています。これは単なるレジャー活動ではなく、時間や文化、ときにはノスタルジアそのものを商品化した、多様な「体験」の形です。ビジネス側も、モノを売るのではなく、顧客にいかに特別な時間と記憶を提供できるかに注力しています。
若者が求める「記憶」と「意味」
なぜ、物理的な商品ではなく体験を選ぶのでしょうか。いくつかの要因が考えられます。
- SNS時代の共有価値: インスタグラムやTikTokで共有できるユニークな体験は、デジタルネイティブ世代にとって社会的な価値を持つ「資産」になり得ます。
- 飽和するモノ消費: 物質的な豊かさがある程度行き渡った今、次に求めるのは生活の質や自己実現につながる経験です。
- 研究で示される持続的幸福: 心理学の研究では、モノを買う喜びよりも、経験から得られる喜びの方が長続きしやすいとされています。
中国消費市場の静かな変容
この「経験経済」の広がりは、中国本土の消費市場のエネルギーが、単なる量的な成長から、より質的で内面的な豊かさを追求する段階へと進化していることを示す一つの窓です。「より良い生活」を追求する個人の欲求と、新しい成長モデルが交差する現場と言えるでしょう。
それは、陶芸でひとつの器を作り上げる過程でも、歴史的な街並みで役になりきる瞬間でも、映画の世界に飛び込む非日常でもあります。共通するのは、購入する「モノ」ではなく、その過程で感じ、後に思い出す「感情」そのものに価値を見いだしている点です。
ビジネスの現場では、このトレンドをいかに取り込み、持続可能な形で提供するかが課題となっています。2026年現在、この市場はますます拡大し、より洗練された体験が生み出され続けています。
Reference(s):
The experience economy: When feeling matters more than owning
cgtn.com



