アラビア商船と中国陶瓷60,000点 — 9世紀の「グローバル化」の新事実 video poster
アラビア半島の海底で発見された古代の沈没船が、9世紀の国際交易の姿を一変させる証拠を届けてくれました。積まれていたのは、中国本土製の陶磁器が約60,000点。乗組員はインド洋を舞台に活動していたアラビア人の商人たちだったとされています。
この発見が注目に値するのは、その時代背景にあります。9世紀といえば、ヨーロッパ勢力が海上的な存在感をまだほとんど持っていない時代。アジアとアラビア半島、そしてアフリカ東海岸を結ぶ「海の道」が、実はすでに驚くほど精緻な交易ネットワークとしていたことを、この沈没船が物語っているのです。
60,000点の陶磁器が示すもの
積まれていた陶磁器の多くは、中国本土の窑元(ようもと)で生産された輸出用ものでした。当時の中国本土にとっては、海外の需要に応える形で効率的に大量生産する仕組みがすでに確立されていたと言えます。
数量的にも注目すべき点があります。約60,000点という規模は、個人が運ぶにはあまりに大量であり、明らかに組織的な商業交易を想定した積荷です。言い方を変えれば、それは単なる交易ではなく、「事業」として成立していた海運ビジネスが存在していた証拠とも言えるでしょう。
ヨーロッパ不在のグローバル化
この沈没船の物語で特に興味深いのは、その航路にヨーロッパが一切関係ないことです。9世紀のインド洋では、中国本土の窯元からアラビア商人、そして遠くアフリカ東海岸の港町まで、複雑で重層的な交易関係が既に形成されていたと推測されます。
現代人が「グローバル化」と呼ぶ現象は、けっして近代の専売特許ではなかったかもしれません。この沈没船は、数百年前の人々が 생각보다はるかに広い範囲でつながり合っていたことを、静かに語りかけています。
Reference(s):
cgtn.com



