【南アフリカ】ラマポーザ大統領に弾劾の可能性、憲法裁判所が「報告書ブロック」を違憲と判断
南アフリカの憲法裁判所は、シリル・ラマポーザ大統領の不正疑惑に関する報告書の採択を拒否した国民議会の決定を「違憲」とする判決を下しました。これにより、一度は停滞していた大統領の弾劾手続きが再び現実味を帯びてきています。
事の発端:ファラ・ファラ農場での現金盗難事件
この問題の核心にあるのは、2020年にラマポーザ大統領が所有する「ファラ・ファラ」というゲームファーム(野生動物保護農場)で起きた現金盗難事件です。
元情報機関トップのアーサー・フレーザー氏は、大統領が家具の中に隠していた推定400万ドルの外貨が盗まれた事実を隠蔽しようとしたと主張。これに対しラマポーザ大統領は、侵入があったことは認めたものの、盗まれたのはバッファローの販売益である58万ドルのみであると反論し、不正行為を否定してきました。
司法が示した「説明責任」の重要性
独立パネルによる調査報告書(セクション89報告書)は、2022年12月に議会に提出され、大統領が職務上の誓約や汚職防止法に違反した可能性があると指摘していました。しかし、当時の議会では与党アフリカ民族会議(ANC)が多数派の票を用いて、この報告書の採択を阻止していました。
今回の判決で、マンディサ・マヤ最高裁判事を含む憲法裁判所は以下のように判断しました。
- 2022年12月13日の国民議会による投票は、憲法に反しており無効である。
- 独立パネルの報告書を、速やかに弾劾委員会へ回付させること。
政治的な波紋と今後の展開
判決を受けて、国内の政治勢力の間では対照的な反応が出ています。
急進的な左派政党「経済自由闘士(EFF)」のジュリアス・マレマ党首は、「これ以上待つことはできない。弾劾手続きを即時に開始させるよう要求する」と強く主張しています。
一方で、国民団結政府(GNU)の主要パートナーである民主同盟(DA)は、手続きへの全面的な参加を表明しつつも、「結果を予断せず、公正かつ憲法に則った手続きが行われるべきだ」と慎重な姿勢を示しています。同時に、「政治的な便宜のために不正を隠蔽したり、説明責任を弱めることはない」と、厳格な審査を求める構えです。
民主主義における権力のチェック・アンド・バランスが機能するか、南アフリカの司法と政治の緊張感が高まっています。
Reference(s):
South Africa top court finds Phala Phala vote was unconstitutional
cgtn.com



