ウガンダ軍、コンゴ東部のエボラ流行下でも武装勢力掃討作戦を継続へ
コンゴ民主共和国(DRC)東部でエボラ出血熱の流行が続く中、ウガンダ軍は武装勢力「同盟民主軍(ADF)」に対する共同作戦を継続することを明らかにしました。安全保障上の脅威と、深刻な公衆衛生上の危機という、二つの困難な課題が同時に押し寄せている現状が浮き彫りになっています。
安全保障を優先:ウガンダ軍の判断
ウガンダ人民国防軍(UPDF)は、エボラ出血熱の流行があるものの、軍事活動を停止する計画はないと表明しました。その背景にあるのは、ADFによる絶え間ない脅威です。
ADFはコンゴ東部を拠点とし、住民への攻撃や殺害、拉致などを繰り返している武装勢力であり、地域の治安を著しく悪化させてきました。UPDFのクリス・マゲジ代行報道官は、次のように述べています。
- エボラの予防措置を徹底し、標準的な運用手順を維持する。
- その上で、ADFの残党に対する作戦を継続していく。
WHOによる停戦呼びかけと現実の壁
一方で、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム・ゲブレイサス事務局長は、東部コンゴで活動する武装勢力に対し、停戦を強く訴えています。これは、医療従事者が感染地域へ安全にアクセスし、ウイルスの封じ込めを迅速に進めるためです。
テドロス氏は、今回のエボラ流行を「非常に複雑な状況」であると表現しています。その要因として、以下の点が挙げられています。
- 治安の悪化と継続的な武力衝突
- 住民の避難(人口移動)による追跡の困難さ
- 食料不足とコミュニティ内の不信感
複雑に絡み合う「治安」と「医療」のジレンマ
ウガンダ軍とコンゴ軍は2021年11月から共同作戦を展開していますが、紛争地での感染症対策は極めて困難です。保健当局や人道支援団体は、暴力的な状況が続けば、ウイルスの蔓延を防ぐために不可欠な「監視」「接触者の追跡」「治療」などの活動が妨げられると懸念しています。
国境を越えた人の移動や、紛争による混乱は、感染リスクをさらに高める要因となります。治安の回復なしには医療体制の整備が難しく、一方で医療体制が崩壊すれば社会全体の不安定化を招くという、負の連鎖が懸念される局面です。
こうした状況は、極限状態にある地域において、軍事的な解決と人道的な支援をいかにして並行させ、調和させるかという、国際社会にとっても難しい問いを投げかけています。
Reference(s):
Uganda to continue anti-ADF operations despite DRC Ebola outbreak
cgtn.com