中国本土・安徽で送電線の着氷対策が進化:ドローンと除氷ロボが現場効率を押し上げる video poster
2026年の春節(旧正月)を前に寒波が襲った中国本土・安徽省の大別山(だいべつざん)で、送電線の着氷(氷の付着)を取り除く作業の効率が、ドローンと除氷ロボットの活用によって大きく高まっています。山間部の電力を支える“見えにくいインフラ”の現場で、作業のスピードと安全性をどう両立するかが改めて注目されています。
大別山の送電回廊、長江デルタの電力安定に直結
安徽省の大別山の山中には、4つの重要な送電回廊(大規模送電ルート)が通っています。これらが安定して稼働することは、長江デルタ地域全体の電力の安全確保にとって重要だとされています。
春節前の寒波で緊急点検へ:20超のチームが出動
今年の春節前、大別山一帯を寒波が直撃しました。休暇期間の電力供給を滞りなく維持するため、20を超える点検チームが速やかに集まり、送電設備の点検に向かったといいます。
山地の厳冬は高度だけで決まらない、という現場感も伝わります。標高は約600メートル程度でも、雨や雪、湿気、低温が重なると、送電線に氷が付着しやすくなるためです。
「歩いて運ぶ」しかない現場:霧に消えかける60メートル級鉄塔
大別山の地形は険しく、車両が入れない場所もあります。点検作業員は機材を担ぎ、滑りやすい山道を慎重に進んで高圧鉄塔に到達しました。高さ60メートルを超える鉄塔は、渦巻く霧の中にほとんど姿を消しそうだったとされています。
こうした条件下では、作業時間の短縮だけでなく、危険をどこまで減らせるかが、安定供給の現実的な鍵になります。
ドローンと除氷ロボットが「効率」を引き上げた理由
今回の現場では、ドローンと除氷ロボットの投入により、送電線の除氷作業の効率が新たなレベルに引き上げられたと伝えられています。山間部の点検・対応では、移動そのものが最初のハードルになりがちです。
- アクセスの壁:車両が入れない場所が多く、人が機材を運ぶ負担が大きい
- 気象の壁:霧や降雪・低温が重なると、視界や足場が不安定になる
- 時間の壁:休暇期の安定供給を守るには、点検と対応の迅速化が求められる
こうした“壁”が重なるほど、遠隔・機械化の価値が増します。ドローンやロボットは、現場の移動・到達の難しさに左右されやすい工程を、より機動的に組み立て直す手段になり得ます。
極端な天候とインフラ運用:静かなアップデートが進む
寒波のような急変する天候に対して、送電設備の点検や除氷をどう迅速に回すかは、地域の生活や産業のリズムにも影響します。今回の大別山のケースは、厳しい地形条件のもとで、ドローンや除氷ロボットが“現場の時間”を取り戻す選択肢として使われていることを示しています。
霧の中で見上げる鉄塔、滑る山道を進む点検隊、そして機械化による効率向上。こうした断片がつながると、電力インフラの運用が、技術と人の役割分担を少しずつ更新しながら成り立っている姿が見えてきます。
Reference(s):
Drone, robot take powerline de-icing efficiency to new level in China
cgtn.com








