イスラエル、レバノン南部リタニ川沿いに軍事管理区域を設置へ ベイルートへの攻撃も継続
イスラエル政府が、レバノン南部を流れるリタニ川沿いの地域を軍事管理区域にする方針を明らかにしました。4月に合意された停戦後も緊張が続いていた中、今回の動きはイスラエルによるレバノン領内へのさらなる介入を意味しており、地域の情勢を大きく揺るがす可能性があります。
リタニ川沿いの管理化とベイルートへの圧力
イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は月曜日、レバノン南部リタニ川周辺を軍事管理区域にすることを誓約しました。あわせて、ヒズボラによる攻撃が停止しない限り、首都ベイルートへの攻撃を継続する方針を示しています。
カッツ国防相は声明の中で、「イスラエル北部に平和が訪れないのであれば、ベイルートに平和はない」と強い口調で述べ、相手側の行動変容を迫る姿勢を鮮明にしました。その後、ネタニヤフ首相とカッツ国防相の共同声明により、ベイルート南部郊外への攻撃命令が出されたことが伝えられています。
20年ぶりとなる「最深部」への進出
今回の緊張加速の背景には、イスラエル軍による戦略的な拠点確保があります。ネタニヤフ首相は、ヒズボラが支配するレバノン国内の地域への掌握を深め、拡大させるよう軍に指示しました。
- ボーフォート・リッジの奪還: イスラエル軍は、戦略的な城がある頂上を含むボーフォート・リッジを制圧しました。
- 進出の規模: これは、4月中旬の停戦発効以降に維持されてきた「安全地帯」を越えたものであり、メディアは「過去20年で最も深いレバノンへの進出」と報じています。
停戦合意と現実の乖離
4月に停戦が合意されたにもかかわらず、現場では依然として激しい衝突が続いています。イスラエル側はほぼ連日のように攻撃を仕掛けており、一方でヒズボラ側もイスラエル軍の拠点や北部のティベリアス市に向けてロケット弾やドローンによる攻撃を繰り返しています。
この衝突による人的被害は深刻です。レバノンの公衆衛生緊急作戦センターによると、3月2日以降のイスラエルによる攻撃で、レバノン側では3,400人以上が死亡し、10,200人以上が負傷したとされています。
国際社会の反応と米国の動向
イスラエルによる軍事行動の拡大に対し、国際社会からは懸念の声が上がっています。フランス、ドイツ、イギリス、およびアラブ諸国は即座に非難を表明しました。
一方で、イスラエルのチャンネル12ニュースは、今回のベイルートへの攻撃拡大は、米国がイスラエルの要請を承認したためであると報じています。当初はレバノン南部への集中だった軍事活動が、首都を含む範囲へと拡大することが認められた形となり、外交的なパワーバランスの変化が示唆されています。
Reference(s):
cgtn.com



