中国本土の消費習慣が変化 ローランド・ベルガー幹部が語る「コスパ重視」の今 video poster
国際ニュースとして注目される中国本土の消費トレンドに、新たな変化が表面化しています。中国本土の消費習慣が変わりつつあり、消費者はこれまで以上に「値段に見合う価値」を重視している――。
ローランド・ベルガーのグローバル・マネージング・ディレクター、ドゥニ・ドゥポー氏は、2025年に開かれたボアオ・フォーラム・フォー・アジア年次会議2025で、CGTNのインタビューに応じ、このように現状を語りました。同時に、この変化によって中国本土の市場競争は一段と激しさを増していると指摘しています。
中国本土の消費者、「安さ」から「価値」へシフト
ドゥポー氏によると、現在の中国本土の消費者は、単に「できるだけ安い商品」を選ぶのではなく、支払う価格に対してどれだけの品質や機能、サービスが得られるかという「バリュー・フォー・マネー(値段に見合う価値)」をより強く意識するようになっています。
これは、
- 価格だけでなく、品質や耐久性を比べる
- 口コミやレビューを参考に「本当に自分にとって得かどうか」を判断する
- ブランド名よりも、実際の使い勝手やサービス内容を重視する
といった消費行動の変化として表れやすいと考えられます。ドゥポー氏の指摘は、中国本土の消費市場が成熟し、より「目の肥えた」消費者が増えていることを示唆していると言えるでしょう。
「コスパ重視」で市場競争は一段と激しく
ドゥポー氏は、こうした消費習慣の変化が市場競争を一段と激しくしていると述べています。価格に対する価値が厳しく比較されるようになれば、企業は「何となく売れる」余地が小さくなり、商品やサービスの中身で競わざるを得なくなるからです。
企業側から見ると、中国本土市場で生き残るためには、次のような視点がこれまで以上に重要になってきます。
- 商品の基本品質や安全性を高いレベルで維持する
- 価格設定と提供価値のバランスを丁寧に設計する
- 購入後のサポートや顧客体験を含めて「総合的な価値」を高める
単に高価格帯で「プレミアム感」を打ち出す戦略や、逆に低価格だけで勝負する戦略は、消費者がバリュー・フォー・マネーを重視する環境では通用しにくくなります。中身の伴わない商品やサービスは、短期間で見抜かれてしまう可能性が高いからです。
日本企業やアジア企業への示唆
こうした中国本土の動きは、日本を含むアジアの企業にとっても重要なシグナルです。特に中国本土市場を重視する企業にとって、ドゥポー氏の指摘は次のような問いを投げかけています。
- 自社の商品・サービスは、中国本土の消費者から見て「値段に見合う価値」が明確になっているか
- 価格だけでなく、品質・体験・アフターサービスまで含めた「総合的な価値」を十分に説明できているか
- 競合と比べて、どこで「コスパの良さ」を打ち出せるのか
中国本土の消費市場は、アジアだけでなく世界にとっても影響力の大きい存在です。そこで起きている「コスパ重視」へのシフトは、他の国・地域の市場にも波及していく可能性があります。
ボアオ・フォーラム2025の発言が意味するもの
ドゥニ・ドゥポー氏がこうした見方を示した場が、アジアの経済やビジネスについて議論が交わされるボアオ・フォーラム・フォー・アジアの2025年年次会議だったという点も象徴的です。今年の会議の場で語られた今回のメッセージは、
- 中国本土の消費市場が、今なおダイナミックに変化していること
- その変化の中心にいるのが、「より賢く買う」ことを目指す消費者であること
- 企業は、価格よりも「価値」で選ばれる時代に対応する必要があること
といった点を、改めて浮き彫りにしています。
中国本土の消費習慣の変化は、日本を含むアジアの企業や投資家にとっても見逃せないテーマです。今後も、現地の消費者が何を「本当の意味でお得」と感じるのかを丁寧に読み解くことが、持続的な成長につながる鍵となりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








