メルツ独首相、米国のイラン戦略に「計画性なし」と批判
エネルギー危機を招く戦争の帰結に懸念
2026年4月28日現在、中東情勢をめぐる国際的な緊張が続くなか、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が米国のイランへの軍事関与を「計画性がない」と強く批判しました。米国とイランの紛争がもたらした世界経済への影響、特にエネルギー価格の高騰が、今、国際社会の喫緊の課題となっています。
「入るだけでなく、出る戦略も必要だ」
メルツ首相は先週月曜日、ノルトライン=ヴェストファーレン州の学校で講演し、米国のイラン戦略について厳しい見解を示しました。ドイツの雑誌『シュピーゲル』の報道によると、首相は「米国は明らかに、何の戦略もなくこの戦争に突入した」と指摘。「イラン側は非常に巧妙に交渉している」と述べ、米国がイラン指導部から屈辱を受けているという認識を示しました。
「この種の紛争の問題は常に、入るだけでなく、どう抜け出すかも考えなければならないことだ」と、メルツ首相は戦争終結の難しさに言及しました。
紛争の経緯と現在の膠着状態
今年2月28日、イスラエルと米国がテヘランなどイランの都市への共同攻撃を開始。当時の最高指導者アリー・ハメネイ師らが死亡しました。これに対し、イランはイスラエルや中東の米国関連施設を標的としたミサイル・ドローン攻撃で応酬し、さらに世界の石油・ガス輸送の要衝であるホルムズ海峡の支配を強化しました。
その後、今月4月8日に停戦は成立したものの、イランと米国はパキスタンの首都イスラマバードで行われた交渉で合意に至らず、米国はその後、独自にこの海峡を封鎖する措置をとりました。この混乱により、エネルギー価格は急騰。先週月曜日には北海ブレント原油が1バレル107ドルを超えました。
ドイツの関与には「戦闘終結」が条件
メルツ首相は、ホルムズ海峡の安全確保と国際的な石油供給網の回復に向け、ドイツが支援を申し出ていることを明らかにしました。しかし、その支援には明確な条件がついています。「全ての戦闘作戦が終了して初めて、ドイツは参加する」と首相は強調しました。これは、紛争に直接巻き込まれることを避けつつ、国際的な安定に責任を持って関与するという、ドイツの慎重な立場を示すものと言えます。
主要国の指導者が直接、同盟国の戦略を「計画性がない」と公に批判することは稀です。エネルギー価格という形で世界中の市民生活に直接影響が及んでいる現在、戦略の是非を超えた、紛争の早期かつ確実な収束が求められています。
Reference(s):
cgtn.com



